情報処理の概念A (2003年度春学期 水曜日2限)

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講義の概要と目的

シラバスより
情報処理技術の様々な応用、すなわちコンピュータやネットワークの利用が 進んだ結果、その影響は従来的な科学計算や統計処理だけではなく、企業活動や 個人の生活、また法制度を変えるところまで及んでいる。この現在にあって、 我々はコンピュータ、また情報処理の何を理解するべきだろうか?

ある時期、コンピュータとプログラミングはほとんど同義だった。コンピュータ を扱うということは即ちプログラミングするということであり、コンピュータを 理解するということとプログラミングを理解することは不可分の関係にあった。 しかし現在の一般的な利用者にとって、プログラミングは決して妥当な理解への 入り口ではない。

原理的にはコンピュータの振舞いは数学的なモデルによって定義できる存在で ある。しかしそれだけでは現在の社会的な変化を説明することはできない。

現在の我々の周囲にある情報処理のすがたを把握するには、その技術を理解 するだけでも、数学的な定義を理解するだけでも足りない。もちろん応用の 結果としての社会的な影響だけを眺めてみても未来を創造する助けにはならない。 それらすべての事物を広範囲に調査し、理解する事が必要である。

本講義では、題材をコンピュータの動作原理から社会的な問題まで幅広く採り、 情報処理の現在のすがたを俯瞰する事を目的とする。


デジタル化の原理 bit、Byte、二進表現、データフォーマット、圧縮、エンコード 計算機の構造と歴史 ジャカード型織機、二進処理、bit、チューリングマシン、 機械式、電子式、真空管、半導体、論理回路 ソフトウェアの意味 機械語、高級言語、プログラミング、ノイマン型(手続き型)処理、 OS、アプリケーションソフト、互換性、バグ ネットワーキング(データ通信)の仕組み 光ファイバ、LAN、WAN、プロトコル、各種サービス インターネットの構造と歴史 歴史、技術、IETF、管理体制、ドメイン名問題 文字コード エンコーディング、MIME、多言語ドメイン 変わる企業活動 ネットワーク企業、ネット銀行、電子商取り引き、電子マネー 変わる社会システム 電子マネー、自動料金徴収、電子政府、各国ネットワークの立ち上がり 知的財産ビジネス 著作権、VHS訴訟、音楽販売、Broadband Contents 電子出版 Web、PDF、電子図書館 オープンソース活動 BSD、GNU、Linux、Microsoft 法律問題 暗号、電子署名、不正利用、ウィルス、アタック、 DVD解析訴訟、Gコード、犯罪、教育
内容は流動的であり、なるべくその時のタイムリーな話題を取り上げる。

履修上の注意

課題
講義時間中、時間外ともに何度かのレポートを課す。
評価
課題と試験の結果によって行う。

資料

全資料となっていてもここにあるものは Web に置ける限りのものに過ぎず、 講義では他の資料やデータも使っている。 講義を再現するためではなく参考資料として見ること。

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Yutaka Yasuda (yasuda@cc.kyoto-su.ac.jp)