レポート:なぜ IP 電話は安くできるのか?
クラスでは IP 電話の構造や、デジタルデータへの変換方式、それをパケット伝送
によって通信する方法について、また各種業界での提携、省庁や規制関係の最近の
動きなどについて紹介しました。
その上で、「なぜ IP 電話は安くできるのか?」という問いをしました。
(問 1. )
その後講師の視点(スライド資料参照)を紹介した上で、その同じ理由から
今起きている、また今後起きると思われる変化について書いてもらいました。
(問 2. )
講師から
全体として前回よりずいぶん具体的に書けるようになってきたと思います。
きちんと書けたと思う人も、失敗したと思う人も、ぜひ他の人のレポートを
見て自分の思考を確認してください。
受講生からの回答
全文、原文のままですので、誤字や途中になっているものなど多くあります。
仕切り線より前が問1.の答、後ろが問2.の答です。
-
多数の利用者を1本の回線で対応できるので、その分通話料などが下がるから。
現在、電話で取引などをしている企業。
-
昔、各家庭に風呂がなく大衆浴場へと足を運んだと同じ原理(?)
(うまく言うつもりでしたがそんなにうまく言えなかったですが)
各々に媒体を確保、修養をしなくてはならないものでもみんなで共同で使っても良くてそれでいて各個人で用意するより安くできればいいという・・・
CDが円形だから投げてあそべるくらい・・・
-
なぜIP電話は安くできるのか?
・NTT以外の業者(プロバイダー)が、NTTなどが使用する。電話回線及び交換機を使わず、IP網によって音声を交信する。
・それ故、コストがかからない。
すでに存在している(と思うが)IP電話が仮に普及したとするならば、次はその音声ととるサービス(それに必要な周辺機器・製品)が、出現してくると思われる。
(ただ、これは最初に書いたとおり、すでに存在しているようなものなので、「現れてくる」という定義には当てはまらない)
講師からのコメント
民生品の場合、それが存在している、していない、という意味よりは普及している、していない、ということの方が重要な場合が多いです。その意味で受講生の回答はそう悪くはありません。ただもう少し踏み込んだ例があっても良かったかと思います。
-
電話の相手との距離が近くても遠くても関係なく、それまでの電話回線のものよりも労力が少ない分安くてすむ。
ロボット(しかもかなり人間に近いもの)が近い将来現れると思う。
講師からのコメント
少し文脈が違う回答のように思えます。。。
-
証明された方式にもよるが、いずれもNTTに頼らざるを得ない部分が減り、もしくは無くなり、自社の目標価格を実現できるからだと思う。また、修理及び交換の際の機器を安く調達できるため。将来的な技術や回線の転用が可能なため。
講師からのコメント
前半は表層的な理由、後半は原理的な理由に近い部分と、良いバランスの回答です。あともう一歩踏み込めば面白かったと思います。
・いわゆる家電製品のネットワーク機能の組み込み。
・電話でしゃべった内容を文字交換をしEメールとして送る。そしてその逆も。
・ネットワーク内に物理モデルも再現して仮想的な世界を創り出す。
他にどのようなサービスや製品が、こうした汎用性を活かす方向で現れているでしょう?(また現れてくるでしょう。)
・FOMAやvodaphone等のテレビ電話やテレビを見ることができる携帯電話。
・電気、ガス等や防犯のセキュリティーサービス
-
音声をパケットで送るので、手間がかからなくなるから。つまり機材と人が減ら
せる。交換機など。
テレビ、パソコンモニターとしても使えるやつがある。
-
いちいち相手に電話するのにNTT交換機は使わずに接続機器がいらないから。
音声を認識しロックを解除するドアなど。
-
なぜIP電話を安くできるのかというと、交換機を使うか使わないかによって、決まると思う。やるならば、今までの電話は交換機で他の選択肢を消して唯一の選択肢にいたるのに対し、IP電話は最初から選択肢を選ぶことだけで、決まるということだと思う。さらにすべて同時に使えるという点で、安くできるのであると思う。
講師からのコメント
おそらくこれは外していると思います。ただし自分の思考を明確に書けている、という点では良い回答です。あと少し技術的な側面での理解に重点を置くことによって適切な思考に素早くたどりつける可能性があると思います。
携帯電話は各地に電波を張り巡らせることによって、昔の限られた区域だけだったときより、汎用なものになったと思う。ここ最近では世界をもエリアとしているので、固定電話とはまた異質の境地を開いたといえる。この技術を高めることによって、無線分野におけるサービスの広がりが今後向上していくのではないかと思う。
-
回線を直接つなぐ今までの電話とは違い、ひとつの回線にいくつものパケットを流せるため、つまり、一回戦で今までの電話の何回線分もの処理ができるため。
テレビ放送のディジタル化
講師からのコメント
はい、その通りです。しかしデジタルテレビはこの汎用性をほとんど活かせていないサービスでもあります。デジタル技術が本来提供するはずの汎用性をうまく活かせる仕組みを大胆に取り込んで設計できるほど我々の住む世界はまだデジタル慣れ(?)していないように講師には思えます。
-
IP電話はインターネットのサービスの一環だから、IP電話とともに顧客を確保してしまえば、本のインターネットサービスの方から、利益を得ることができる。
TVや映像配信、テレビ電話、デジカメが○×△(講師解読不能文字)等の映像及び音楽設計等。
-
IP電話は共用されているのに、システムを開発しやすく、また開発費用を共有できるから、安くできるのだと思う。従来の一対一の通話システムよりは費用を安くできるのではないか。
インターネット番組、インターネット上の有料チャンネルが増えていくこと。
講師からのコメント
はい、そうですね。特に「多様な提供方式による番組」が増えていくことが重要です。たとえばストリーミングだけのもの、Web と組み合わせたもの、メイルと組み合わせたもの、一方的に進むもの、対話的に進むもの、高品質な映像のもの、低品質なもの。こうしたものを個別に設計せずにさまざまな番組としてインターネットという共通の枠組みで提供できることは、まさに汎用性が活かされている例です。
-
回線をインターネット上のものにすることによって、大量のデータ(音声データ)を早く送受信できるようになったため。今までのものに比べてコストが安価で済むから。
現在使われてるもの:パソコンの画面を見ながらの英会話教室
今後:パソコンの音声入力、学校の授業。
-
IP電話が安くなるというのは固定電話と比較してのことだと思うので、それぞれの違いについて考えてみた。そもそも固定電話は日本全国をカバーしなければならないが、IP電話については必ずしもしなければならないという。
これからは今現在パソコンで行っている動画を見たり音楽を聴いたりゲームをしたりなどがケータイでできるようになっている。
-
プロバイダ各社が欲しているのは、インターネット使用料である。プロバイダ各社は大規模かつ高速になった回線により、個人からのインターネット使用料だけで利益を得ることができるようになった。IP電話は余った回線を利用した顧客・・・
・大規模高速回線を利用した映像配信(現在実施中)
・2倍作ろうと思えば2倍コストがかかる農作物などと違い、実費だけで大量に生産(製造)できるダウンロードソフト(シェアウェア)
・インターネットラジオ
-
IP電話は音声がデジタルデータに変更し、ネットワークで送る形になる。そして、ソフトウェアの書き直しは簡単で、線路も一本だけで十分、だからコストが下がる。
講師からのコメント
なぜ線路が一本で済むのか、なぜソフトウェアだけで対応できる範囲が広いのか(既存の電話はなぜそうでないのか)を考えると面白い答がでたと思います。
テレビ電話は現れているけど、これから電話機がいらなくなるでしょう。
-
電話交換機が(を通さなくても良い)要らないから。(中継型ではない場合)
セコムなどの防犯設備が携帯電話と通信できるサービスやインターネットを通じて、レシピなどを決められる電子レンジが売られている。
-
IP電話は安くできるのは、普通の電話と違って、通信費などが安いから。
IPを用いて、IP電話とかを出来上がりましたが、できればいいソフトをかいて、ただcaptureで音声チャットみたいで話せるのかなって思いました。
たとえば、MSNの音声チャットはあまりいい音声で無いので、いい音声をできればただで払うだけでしょう。今のIP電話はネット代と基本料を払う必要なようですから。
Yutaka Yasuda (yasuda@cc.kyoto-su.ac.jp)