理学部 講師 | 安田 豊 

#01 Internet の普及と費用分配構造の変化

科目名:情報処理の概念A8(K01)教室
担当者:安田 豊

(2004年度 水 2)

出題日:2004/05/19 (時限指定なし)

提出期限:2004/05/25 (時限指定なし)

本文 :

クラスで説明したような費用構造の変化について、受講生はどのように感じますか?
もしそのようなことが起きていると思えば、実例を示して、その事例についての構造変化について説明してください。
もしそのような変化は重要なことではない、と思うのなら、その理由について説明してください。


提出日 2004/05/22

費用分配の構造が中央から末端へと移行しつつあるとありましたが、その発想は今まで思ったことのなかったことで、新たな発見でした。
大学での課題も最近出来た課題提出システムというものにより、
提出する時間の制限がなくなりました。
課題提出において、直接、受付に提出するさいには、受付時間の制約というものがあり、夜中に提出するといったことが、不可能でした。
しかし、ネットを用いての提出では、そのようなことを気にせずにいることが出来ます。
このように利点の点が大きいので、末端のエンドユーザーに通信費などの費用が増えても、あまり気にならないのではないかと思います。
提出日 2004/05/23
費用構造の変化はあまり重要ではないと思う。
確かに今日は技術が向上して便利な時代になったと思うが、
便利になりすぎて設備代などがバカにならない。
提供側にば今の時代のほうがいいかもしれないが、
顧客にしてみれば一長一短でどちらでもいい。

講師からのコメント:
たしかに顧客の費用負担が徐々にかさみつつあるのは事実で、これはそのうち問題となるでしょう。
ところで回答者の記述はサービス提供側の費用負担が少なくなれば、例えば物販であれば消費者側に提供されるものの価格が安くなる(安くできる)ということを軽視していると思います。 つまり DELL が成功しているのはネット販売であるから、ではなく、価格が安いから、商品として価格競争力があるから、です。
その DELL の競争力の源泉がサービス提供コストを下げたことから来ているのであれば、さて、顧客はどちらを選択するでしょう?例えばネットで買えば 5% 引き、というような商品は航空券をはじめとをして多いですよね。 つまり価格の安い商品を買うために、多少設備費用を掛けるか、またはその逆に設備費用を掛けずに商品価格(または購入のために必要な交通費などの経費を含めた総コスト)の高いものを選ぶか、どちらか、という問題です。

提出日 2004/05/24
確かに費用構造は授業で言われたような古典的費用負担構造から末端での費用の自己負担の構造へと変化していると思います。喫茶店やファーストフード店などには、モバイルゾーンなどと呼ばれるような設備も整えられてきており、これまで、インターネットカフェなどで用意されていた設備から、自分達のお金で用意したパソコンを使うとゆう風に変化してきています。小学校でもパソコン教育を受ける時代、社会全体がすでにインターネットの有用性を感じ、インターネットを利用することは日常生活の一部となっています。インターネットユーザーが費用を自己負担してでも、利用する価値があると認めるようになったとゆうことが、大きな変化なのではないかと感じました。
提出日 2004/05/24
DELLコンピューターは販売方法を通販に絞って、顧客が好きなように部品を選べるようにするなど、あらゆる客の需要に柔軟に対応できるようにし、1996年度決算において売上・利益ともに業界最高レベルの好業績を残す事ができ、さらに強力なサポートをつけるなど様々なサービスで他社にはない魅力を発揮し今日に至る。
様々なサービスを考え、顧客にそれらを提供し続け業界のトップクラスに不動の地位を確立したDELLはやはりすばらしいとお思います。

講師からのコメント:
課題は講義の一部を要約してください、という種類のものではありませんでした。もう一度、設定された課題文を良く読んでくださると助かります。

提出日 2004/05/25
諸所において費用の自己負担の場は増えていると思いますが、それは悪いことではないと思いました。
通信分野、電話やパソコンがその最たるものだと思いましたが、それらの処理を中央で行うようすれば個人負担の場は減ります。一人一台という勢いで普及している現状ではもしかしたら場は減らないかもしれませんが、額は抑えられるでしょう。ですがそれは私にはハイリスク・ローリターンに感じます。
端末に処理機能を持たせれば新機能の付随も容易で、故障した際の被害もその箇所のみ、そして責任の所在もはっきりとしています。それに対し、中央処理はシステム改良のたびに多かれ少なかれ末端に影響を及ぼします。一括で済むことが必要であったり良いことがあるのも確かですが、中央だけが頑張っても多彩な動きをみせる機能に対応しきることは不可能です。
そしてその多彩な動きとなる元は多様な個人ニーズに応えようとした企業努力であることも考えると自己負担はして然るべきではないのか、大量生産・大量消費から少量生産・少量消費への移行と並行して費用負担が社会(企業)から個人へと移るのも当然なのではないか、と考えました。

講師からのコメント:
面白い視点ですね。なるほど。参考になります。ありがとう。
まず中央集中型のシステムで莫大な数のユーザの進歩に対する要求に応えるのはかなり難しいことになるだろう、という考え方は正しいと思います。つまり大きな技術変化がおきている時、それは個人消費者の多様性に合わせて各自で費用負担額を決められる方が良い、ということですね。技術進歩と多様性を支えられるのは個人の選択と数多くの企業努力ではないか、という点についても賛成します。

提出日 2004/05/25
私は、講義で説明されたような費用構造の変化が起こりうる可能性はあると思うが、末端側(PCユーザー)が嬉々として費用を負担しているとは言えないと思う。端末側は、「嬉々として」というよりむしろ「仕方なく」費用を負担しているように思う。
末端のユーザーは、パソコンを購入することで、その高機能性を得ることができるが、反面、パソコンの持つ機能を用いてできることであれば、ユーザーが自らパソコンを操作して解決すればいい、あるいは解決しなければいけないというリスクも購入時に背負うことになると思う。
パソコンの持つ高機能性と運用リスクを同時に購入している時点で、ユーザーは保守・教育などの費用負担を容認せざるをえない状態にあるように思う。 

講師からのコメント:
はい、全くその通りです。まさにその「甘んじて受けざるを得ないリスク」のなかでユーザーは非常な苦労をしていますね。今後、こうした問題はより大きくなるでしょう。良い意見をありがとう。

提出日 2004/05/25
インターネットの構造の変化をあまり感じていない。
あえて、言うと技術の進歩とメーカー同士の競争で 顧客側の負担額が減りつつ、メーカーサポートも すこし、よくなっているぐらいかな。
僕が気が付かないだけかもしれないが。

講師からのコメント:
視野をもう少し長い時間範囲(たとえば 20 年)に広げてみてはどうでしょう。

提出日 2004/05/25
インターネットの運営に必要な費用は、どうやってまかなわれているのだろうか?と、まず疑問に思うところです。たとえば、ダイヤルアップ接続によってインターネットに接続し、日本からアメリカのホームページを見る場合、このとき自分が負担するのは、電話代とプロバイダへの支払いのみで行うことができますが、国際電話の通話料金が下がったとはいえ、10分、20分と話し込めばそれなりの料金を支払わなければならないはずなのに、インターネットではそれがありません。なぜ国際電話のような費用がかからないのか?インターネットはタダ?というのは間違いで、インターネットに必要な回線(世界中に張り巡らされている)は有料であって、その費用は、利用者が直接的に、あるいは間接的に負担しており、たまたまインターネットの使用料というわかりやすい形になっていないのです。たとえば国が持っている回線には税金が当てられているわけです。あるいは民間で敷設されたネットワークであれば、回線の性能に応じた価格で小売りされます。それに回線を買い取るには、それなりの金額が必要です。しかしいったん買い取ってしまった回線は、1日中接続したままでいても付加的な回線使用料は発生しないから、これを多人数で共有すれば利用者1人当たりの負担額はどんどん小さくなることが理解できます。
上のことから、インターネットがもっと普及すれば情報の共同利用に伴う個人の負担、コストの削減が可能になると考えましたが、たとえ世界中の人がネットワークを使うことになっても安くするには限界があることを考えなければならないということが新たな疑問となります…
今現在の世の中では、費用構造は、まだ変動する。しかしいずれ行き詰るだろうと思いました。

講師からのコメント:
興味深い意見をありがとう。これはいわゆる「定額課金」と「従量課金」のどちらがよりインターネットにとって発展的だろうか?という意見だと思います。 ネットを水道やガスと同様のインフラだ、ととらえると、ネット以外に定額課金のインフラはない、ということに気がつくと思います。US の市内電話は定額なのですが、これが果たしてインターネットにそのまま当てはまるかどうかはまだ答がでていません。(なお、講師は定額課金は将来的に破綻する可能性が高く、むしろ従量課金の可能性を探っていきたいと考えています。)

提出日 2004/05/25
費用構造の変化について

私は確かに変化していると思います。その一例としては音楽データをCDで販売する方法からダウンロードさせて課金する方法に変化したことが上げられると思います。今まで音楽データを保存するためのメディア費用は販売する側が負担していましたが、ダウンロードした場合ハードディスクに保存したりする手間やそのメディア代は購入者が負担することになります(もちろん音楽CDの代金の中にはメディア代やその手間の費用が含まれているでしょうが)。
提出日 2004/05/25
僕はこのような費用構造の変化は必要だと思う。
なぜかというと設備などの負担を分担しあえば提供者も無駄なコストを抑えて利益が上がりよりよい環境や設備を作れるからだ。それにすべての負担を提供者が負うとべつにその様な物をあまり必要としない人でも作ってそのまま使わず提供者に費用がかさむとそこがつぶれたり品質やサービスが低下したりと、あまり必要としない人たちのために品質やサービスが低下するなら必要な人たちだけが自分からお金を出して使ったほうがいいと思います。
提出日 2004/05/25
私は企業の情報システムの一部であるパソコンを社員が用意することが費用構造の変化になるかは企業によってさまざまであると思います。
なぜなら私はPCを社員が所有することによってのコストの削減はパソコンを買うに当たっての代金に主にあると考えたからです。パソコンを各々が買えば企業は社員にパソコンを支給しなくてよくなる。つまり、コスト削減に繋がるのです。しかし、これはあくまでも社員一人につき一台支給していた企業に限るのです。現に企業におけるPC配備状況は一人につき一台以上32.6%、二人に一台23.7%、三人に一台13.0%、四人に一台5.3%、五人に一台23.7%、配慮なし1.3%、無回答0.4%(参照:総務省「通信利用動向調査」)でした。一見すると「一人につき一台以上」が最も多いので「PCを社員が所有することはコストの削減になる」ことは正しいと思えますが、このデータはあくまで割合であり100人中何人が企業からパソコンを支給されているかをは表しておらず、二人に一台〜五人に一台をあわせたパーセンテージの方が大きいのです。
以上のことから私はパソコンを社員が用意することによって費用構造の変化がおこるとは限らないと思います。
提出日 2004/05/25
先日、インドで総選挙が行われました。今回は大規模なインターネット投票が取り入れられたことで、例年を大きく上回る投票率だったといいます。その原因として挙げられているのが、読み書きのできない人々にも簡単なシステム、紙を使用しないことによる環境保護、不正防止、また、全国で100万台設置されたことで投票所が近くなったことなどです。これによって小さな村の人が遠くまで歩いて投票に出かける時間の浪費や体力の心配も少なくなりました。これらのことからわかるように、インターネットによって時間、資源の浪費が減少し、システムの簡略化が可能になりました。自分で出費してまでコンピュータを購入するのは、購入者がこれら便利さにその代金を払う価値、魅力があると判断するからだと思います。その動きが増加しているのは、人々が働くことで賃金を得、お金を払ってものを食べることと同じように、コンピュータやネットワークがあって当然だという文化になりつつある証拠なのではないでしょうか。

講師からのコメント:
少々設定された課題から離れてしまっているような、、、

提出日 2004/05/25
私は費用構造の変化から生まれたユーザーに自由を与える環境は、今の社会ではなくてはならないものだと 講義を聞いていて感じた。その理由を述べるにあたって私がそのメリットを感じた例としては、 インターネットを利用できる端末の種類が増加したということであろう。現在PCや携帯電話を使ってインターネット を利用できることは誰もが承知のことだが、近年ではゲーム機やTVなどを使ってでも利用が可能 となってきた。これがもたらすメリットとしてはユーザーの情報をリアルタイムに獲得できるようになったことや、 ユーザーにかかるコスト負担が選択できるようになった、コンパクト化ができたなどということであろう。
これら各端末で得られる情報の限界に差があるものの、現在ではその差別化の成功によってうまく均衡がたもたれている。
企業側がこの「差別化」という点を重視している今日、これから更に端末の種類は増加していくのは間違いない。
またあらゆる情報に付加価値がつきそれを欲しがるユーザーが今日では大量に存在していることから、その通信環境を あらゆる面で可能にしたいと考える企業は当然増えると思う。 そうなれば今以上にユーザーにかかるコストが軽減されたり、より自由で多くの人が参加できる通信環境の実現に繋がると 思うのでこの変化は本当によいものだと感じた。

講師からのコメント:
すみませんがあまり回答者の考えていることを汲み取ることが出来ませんでした。一行一行はわからなくはないのですが、それぞれ前後の文章が説明としてあまりうまくつながらないからです。また、結局なぜコストが削減されるのか、なぜより自由になるのか、ということが直接的に説明されていません。それが主題だと思えるのですが、、


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