レポート:IP電話はなぜ安くできるのか?

IP 電話をデジタル化による新しいサービスまたは製品として紹介し、それが何故安くできたのかを問いました。

講師から

IP 電話サービスが非常に安く価格設定できる主要因は、コストの主たる要因となる設備について、既存のものを流用していることにあると考えています。 IP 電話はインターネット用の技術や設備をそのまま流用しており、IP 電話のための技術開発や設備投資が極小で済んでいるわけです。 逆に考えれば分かりやすいかも知れません。例えば電話のデジタル化のために技術開発や設備投資を要する状況だった(インターネットより先に IP 電話を普及させようとした場合を想像すると良いでしょう)としたら、従来的電話サービスより低い価格でサービスできたでしょうか?

つまり共用のもとになったインターネットには、さまざまなサービスに流用可能な「汎用性」がある、ということです。 汎用設備を流用しているために安くなった、と言っても良いでしょう。 当然これは電話だけに限りませんから、今後幾つでも同様のことが起きると考えられます。

ところで受講生からの回答を見ると、非常によい点について指摘しているものもありますが、以下のような傾向を感じます。

自分の思考をまっすぐ書ける事(書ける程度にはっきりさせること)は重要な事です。 せめてこのクラスの間だけで良いですから、ぼんやり、ではなく、はっきり説明できるように考える傾向に自分を振ることを勧めます。


受講生からの回答

全文、原文のままですので、誤字や途中になっているものなど多くあります。
  1. 普通の電話ではアナログだが、IP電話はデジタルで音声をパケットにしているため安いと思います。
    講師からのコメント:
    では何故デジタルデータに直すと安くなるのでしょう?音声データをパケット形式で送ると安くなる、という論理には飛躍があるように読めますが、どうでしょう。

  2. インターネットの普及により 安定した資金を得られるために、価格を下げることができる。
    講師からのコメント:
    結果としてはそうなっているかも知れませんが、それは母体となる企業側の性質(または属性)であって IP 電話というものに附随するものでは無いですね。

  3. IP電話の方が中継するための回線を少なくできるので、設備にかけるコストを下げられるため、
    使用料を安くできる。中継するための回線を何故少なくできるのかというと、IP電話では情報の伝送を
    パケット交換方式で行っているので、1つの回線にいくつものことなる情報を伝送できるからである。

  4. IP電話は近年急激に普及している高速インターネット環境を利用しているので、
    まず設備投資が安価であることがあげられる。

  5. わからないけど、インターネットの方が安くできるのは、IP電話では基本的にやはり
    NTT交換機を1度も通らずにデジタル化して(中継方でも少ししか通らずに)つながるため、
    安くなるのではないかと思います。というかNTTが高いまま、IPの値が安く出すぎたため、
    NTTの普通の値ももっと安くなることができるのでは?

  6. 今は最もインターネットのじゅ要がすごく多いので
    そのぶん 技術が発達してきている

  7. IP電話は元々インターネット接続のために作られた光ファイバーなどを使うので
    最初からIP電話だけでもうけようとしているのではなかったので、新たな費用を
    かける必要がなかったので安くなった。

  8. 個人的な考えだけど、今までの回線はアナログで、アナログは確か有効な範囲が5〜6kmぐらいだったから、
    全国での通話を可能にするにはたくさんの電話局をたてないといけないから金がかかる。
    そのぶんデジタルはどこでも安定した通信ができるから、少しの電話局で有効範囲が広いから
    デジタルを利用したIP電話は安いのではないかと思います。
    講師からのコメント:
    技術的には恐らく電話程度の品質と機器を相手にした場合、距離に対してはデジタル技術よりアナログ技術の方が安く作ることが出来ると思いますよ。極端な長距離(太平洋横断であるとか)や極端な高品質が要求される場面であればデジタル技術による工夫の効果が期待できますが、日本の地域の広さ、住宅の密度などから見るとそれには当たりませんね。首都圏の一部地域のように極端に回線密度が上がってくればまた話が別なのでしょうが。

  9. 以前は電話といえばNTTが独り占めしているような状態だったのに
    今ではソフトバンクやKDDIなどの会社がインターネットを利用してIP電話を提供しはじめたので
    価格の競争が起こったから。

  10. インターネット技術を用いて、従来の電話回線や交換機、そしれ遠距離の場合は離れたところの電話局などに
    接続することなく通話が可能になったため、そこに必要な人件費や接続料金がカットできるからだと思います。
    加えて、インターネットと共に使うので、多数の加入者が期待できるからではないでしょうか。

  11. 通話の斉に使用するNTTの交換機の量が少なくなることによって、それまでの普通電話の時との
    差によって費用を抑えることができるからである。

  12. 音声データをインターネットでやりとりすることで距離を関係なくしたからだと思う。また、通常の電話回線を使わず、
    別の設備を使うことで通常の電話回線分の通話料がなくなるからだと思う。

  13. やはり、現在のインターネット回線は高速で大容量のデータを送受信できるようになったから、
    このIP電話という普通通信のサービスが可能になって安く提供できるのだと思う。
    あと、NTTの回線を使わない手段を取れるのもあるからだと思う。

  14. 日本がサービス業(第3次産業)に特化しているのと、技術的に進んだものを持っている国であるゆえに、
    あの破壊的な価格を実現できるのだと思う。

  15. 単純に考えて1つ浮ぶのは、今までの電話回線に比べて中継点が少ないということ。
    またこれは直せつ関係があるのか分かりませんが、
    電話回線に比べ、RAN線や光ファイバーは最大送受信量が
    はるかに大きいというのもあるかもしれません。
    結局はメインがインターネット用だったので、電話はそれを流用しているにすぎないため
    安くできるというのも1つだと思います。
    講師からのコメント:
    私の感覚では最後にあげてくれた、この「一つ」の理由が最も大きな原因だと思います。そして「何故流用できたのか」という点に更に注目して欲しかったですね。

  16. 個より集まり
     1つでの利益を最小限に抑えると まず安くなる。でも企業にとってはマイナス。
     しかし安くなることで加入者が増える。そうすると1つの利益が最小限でも集まれば、
     ある程度の利益は出て企業にはプラスになる。

  17. 普通の電話回線の機能を使わず、
    IP網でつないでいるのでインターネットのサービスの一部になっているから。

  18. 交換機にかかる負担(量)がかからないから

  19. 今の日本はインターネットがとても普及していて、IP電話がつなぎやすくなっているから。

  20. インターネットと共有した方がコストが減るから

  21. 交換機をたくさん使わないでいいから。  長距離の場合に安くなる。
    そしてネットワークを通して音をデジタル化して送るほうが、安い。
    しかし、デジタル化する場合は音質が下がる場合もある。ネットワークの設備は出来ているから。

  22. インターネットでやりとりするから、電話回線や交換機を使わなくていい分、安くなるから。

  23. NTT交換機から電話をかける相手のNTT電話交換機までを中間部分を自社回路でデジタル化して伝えるからです。

  24. ・設備投資が電話回線の場合より安く済む。
    ・インターネットでの利益もある場合は、IP電話を少しぐらい安くしたところで、
    その利益でIP電話の損失を補完できるから。(または無料)
    ・需要が高い

  25. 既存の電話網の1部をIP化すれば使えるし、回線の共有が容易だから、
    internetを使用したほうが安くできるから。
    講師からのコメント:
    既存の電話網の一部を IP 化する、とはどういったアイディアでしょう?(一般的にはその逆を考えます。ちょっと興味が湧きました。)

  26. 全国どこにでも同じ値段でできるから
    普通の電話は回線を使うけど、IP電話はパケットを使う。IP電話は (以下無記入)

  27. (1) ネット経由の方が従来のシステムよりも費用がかからないから
    NTTの交換機をいくつも利用することよりも、IP網を経由してのデータ通信の方がコストがかからない。
    (2) インターネットサービス(ブロードバンドの)普及
    ここ数年で光ファイバーの実装などにより、一般家庭でのネットの普及率が飛躍的に上昇、
    または転送率の上昇により、多量のデータ通信が容易になった。
    そして、従来の電話のシステムよりも安くつくといった利点で、顧客を大量に得ることが出来たから。

  28. 通常の電話回線を使うのでなく、IP電話独自の回線を使うことで、回線の使用料が下げられる。
    IP電話に使う回線なら、電話のみで占有するのでなく、インターネットにも使える分安くできる。

  29. もともとあるインターネットやCATVの回線を利用しているのでNTTの交換機をほとんど(全く)使わなくていいから。

  30. 基本的にIP電話はインターネットを利用している人が利用する。
    インターネットの回線使用料とかで利益を得て、そのついでとしてIP電話をつけるから、
    IP電話の電話代で利益を得ようとしているわけではないので、安くてもいい。

  31. 相手に電話するとき、その中間の多数の中継地点にかかるNTTの手間料みたいなのが略けるから。
    講師からのコメント:
    手間料、というわけではなく設備の利用料金ですね。しかしNTTではないにせよ、誰かの設備は通るわけですから、結果的にはその設備料金負担がどこかで発生します。ではなぜ IP 電話ではそこを低く抑えることが出来るのか?というように考えていってくれると良かったかと思います。

  32. ADSL回線が日本中にはりめぐらされていて、ADSLは定額だから、
    音声をデータとして送るIP電話にとって楽だから。

  33. 回線交換方式では長距離になればなるほど、使う機械が多くなり、料金がかかるが
    IP電話で使用するIP網は共有の回線を用いているため安く済む。
    このようにIP電話が安くつくため、最近の国際化の影響による、
    長距離電話の需要の増加により、IP電話のニーズが増加した。
    講師からのコメント:
    IP網でも長距離になればなるほどコストがかかる、という構造になっているのは同じですよ。現在よく使われているIP電話は国際電話需要のために普及したわけではないです。

  34. 今までNTTが独占状態だった電話回線を1部でも他業者に回し、
    その回線を既存の電話回線より効率的なIPの技術を取り入れたから。
    通常の電話だと回線が直線的であるがIP電話は複雑だから。

  35. ADSLやケータイの定額制と同じように客を増やして基本使用料をとるだけで利益が取れるから。

  36. 自社製の回線を使うこととパケット通信を使うために安くできる。
    自社製の回線で回線交換をしようと思うと大量の回線を用意しなくてはならないが、
    パケット通信だと一本の回線から始められる。そしてその回線コストもインターネット技術の発達によって
    回線の容量が大きくなり、電話の音声程度の容量なら一本の回線から大量に送ることができる。
    講師からのコメント:
    説明したい事がよく読み取れませんでした。もう少し論理を埋めてくれると助かります。(例えば「パケットだと一本の回線から始められる」ということが何を指しているのか良くわかりません。そのような場面を幾つか想像できないことはありませんが、私が想像で埋めても仕方がありませんから、、)

  37. インターネットの普及によってネットとネットのやりとりが増え
    IPの方が使いやすく、同じ回線になるから。

  38. ・IPの方は途中のスイッチがないので、スイッチの維持費や施設の分だけ安い。
    ・電話の方は回線の一部を独占するので使用料が高い。
    ・IP電話はすでにあるものを使うので工事費が無い。