音楽販売の展開としてどのような可能性があるでしょう?
- 音楽データの個人間での流通を今後も阻止すべきか?
- もはやコントロールすべきではないのか?
- CD販売に可能性はあるのか?
- iTunes / 着うたフルのようなデータ販売に可能性はあるか?
例によって多様なことを考えて欲しかったわけで、ある意味満足できる回答が多かったと思います。
つまり余り類型的な回答はなく、皆いろいろ自分の価値観からなる答を出してくれているからです。
こういった未来の問題には正解はありません。
皆がいろいろ自分のアイディアを持ち寄ることが重要です。
とこで技術の変化の速度に余り関心が無さそう、という印象を受けました。
つまりあと2年、3年たったらどのような技術状況になっているか?という視点が余り感じられないということです。
逆に言うと1980年に規格が出来たCDと同じ程度の音質を実現できる量のデータを、インターネット越しに短時間で転送できる程度にネットワークが高速になってきたことが CD にもともと設定されていたアドバンテージを薄めた主原因なのですね。
CD 一枚 650MB、これは 1980 年代のコンピュータにとっては大変大きなデータ量だったわけですが、2000 年代にはもうそうではなくなったわけです。なおハードディスクは 1990 年代はじめに、ようやく 20MB (GBではありません、MBです)の製品が 15 万円(1.5万円ではなくジュウゴマンエンです)程度で出ました。いまの 1/1000 程度ですね。家庭用の通信機器の速度は 2400bps 程度(2.4Kbps)でした。これも 1/1000 以下程度ですね。この頃ならCDにデータを詰めて販売することに充分な合理性とアドバンテージがあったわけです。
では、CD をパッケージ販売と見なせば、近い将来のインターネットでも扱いきれないデータ量のコンテンツを扱うパッケージ販売にシフトすれば良いのでは?という考え方もできます。
つまり CD ではなく DVD による映像つきの音楽には短期間とは言え、もうしばらく寿命がありそうだということになります。
だからときどき私は「さっさと DVD 販売により注力して売り上げ全体のシフトの加速に努力すればいいのに」と思うことがあります。
ネットや着うた配信などに伴い、CDの売り上げは確実に落ちていくと思う。しかし、CD自体はまだまだ存在意義があり、当面はなくなることはないと考える。本当に気に入った作品などはデータだけでなくそのアーティストのCDを手元に持っておきたいと思うからだ。
これからのCD事業は歌自体も大事だがそれ以上にわざわざCDを購入してくれる人に割高感を感じることのないよう、どれだけの付加価値をつけられるかが問題となっていく。
講師からのコメント:
極論すればこのモデルは「音楽データがついていなくても売れるか」という所に落ち着くのではないかと想像します。どうでしょう?
レンタルCDも複製は一応不可となってはいますが、実際は無理だと思います。だから音楽も情報として販売していった方が良いです。けれどパソコンでダウンロードした音楽は再生するとあまり音がよくないのでCD販売もゼロにしようとは思えないです。
講師からのコメント:
いまダウンロードできる音源は MP3 などの圧縮してデータ量を減らす代わりに音質が下げったものが多いです。iTunes で売られているものもそうです。では逆に通信速度がもっと向上して、圧縮などしてデータ量を減らさなくても良くなったら(つまりデータの音質が等しいものになったら)、CD販売はゼロになるだろう、ということでしょうか?
もしそうだとしたら、その未来は非常に近いところにありますよ。
データ販売はウィニーのような存在により、個人間でデータがまわるため可能性がない。
データの個人間での流通の阻止は不可能。音楽業界のCD販売・データ販売に未来はないと思う。
・音楽販売の展開としてどのような可能性があるか。
・一曲いくらの世界から考えて、電子マネーとの関連によるマイクロペイメントが重要な役割を果たすと思われます。
・音楽のみならず、デジタルデータ自体も販売される可能性。
・「CD」自体に対する所有欲は存在していると思う。
講師からのコメント:
いろいろな要素をうまくまとめていますね。良い感じです。特にネットワーク越しのコンテンツ販売はマイクロペイメントとセットである点は重要です。
何か提案がひとつあるとより良かったかもしれません。
・i−podのようなものにデータをダウンロードすれば、CDという媒体での販売は必要なくなると思う。
・音楽の一曲あたりの単価をもっと下げれば、コピー防止をしても人気は下がらないだろう。
あるいは、月会費を払えばダウンロードし放題になるようなサービスもいいかも。
・コピー防止は必要(変化)すると思う。(ビジネスとして成り立たなくなるし、誰も音楽をつくらなくなる。)
音楽データが個人間で流通するのにはCDという音源を手に入れるための媒体の値段の高さにも原因があると思います。たとえば、シングルCDならたった2・3曲のために1,000円という代価を払うという行為はネットで安く音楽配信を出来る現在は無意味でないでしょうか。もっと将来あらゆる音楽データが、タダ同然になればCDも個人間の流通もなくなるのではないでしょうか。
講師からのコメント:
CDの価格のどれだけが媒体の価格で、どれだけが中身への対価なのでしょう?(媒体価格と流通価格は実は非常に低い)
ものの価格はコストだけでは決まっていないのです。
ネットワークでのファイル交換を阻止したところで、またあらゆる手を使って出現してくるだろうし、むしろ私は宣伝効果になっていると感じる。実際ファイル交換するにはアルバムなら結構な手間がかかることが多いし、本当に好きなアーティストのアルバムの購買意欲は今も昔も変わらないと思う。
一時期、MXを使ったり、借りてきたCDをRやMDに焼いたりしてきましたが、今はほとんど行っていません。CDや中古のレコードを買い集めています。
理由として2点あげられます。
・MD MP3よりCDの方が音質が良く、またそれ以上にレコードの音質が良いため。
・MD MP3にして集めても結局聴くのはお金を出して買った実体のあるものになる。
CDの販売量は減少するだろうが、需要は存在すると思われる。
・音楽データの個人間での流通はネットワーク上でのものは阻止すべき。
・規模の問題だと思うので、中継したり助長するシステムは禁止して良いと思う。
・データ販売には、手軽さ、CD(本物)には、本物志向の人がいるので、双方に可能性があると思う。本当に欲しい物を、データのみやコピーを所有しているだけで満足できるかどうか疑問なので、CDが全く売れなくなることはないように思う。
・データ販売はユーザーが慣れれば勝手に伸びる。
講師からのコメント:
冷静かつ現実的な視点と提案で良い感じです。
今後ますます音楽をデータ販売の形で販売するビジネスモデルが主流になる。理由は、再生機器の変化(i-podなど)、デジタルの音質の向上です。CDショップ等小売店が打撃を受けるでしょう。
音楽販売の展開としての可能性
個人での音楽データ流通は阻止すべきである。対価を払わず音楽を聴くことは明らかにおかしい。
対策として…
・個人間での音楽データ流通に対する法的取り締まりを厳しく行う。
・コピーガードの強化
・安く音楽をダウンロードできるようにする。
しかし、技術面だけを考えるといたちごっこになってしまう。今も良いCDは売れているので、アーティストが良い作品を作ることが大切だと思う。
音楽CDは減少するものの、なくなってしまうことはないだろう。音楽自体に魅力を感じている人は、CDを買わなくなってしまう可能性は高い。しかし、音楽だけではなく、パッケージやブランドというものにこだわる人が、非常に多いからだ。自分の好きなアーティストにこだわりを感じているのであろう。ただ、市場規模が縮小するのは避けられない。おそらく、他の形態と住み分けしていくであろう。
プロダクション業界が100%制限するのは不可能。 現在のウィニーなどの共有ソフトからロイヤリティーを取ることが賢明。個人間のダウンロードにも課金されるシステムを作るか、ファイル共有ソフトウェアと売り上げを共有すべきと思う。
音楽データの個人間での流通を阻止しきれないのであれば、販売会社もその仕組みの中で利益をあげる方法を提唱すべき。
講師からのコメント:
このすぐ上の二つと合わせて、面白い意見だと思います。なるほど色んな事を皆さん考えますねえ。
個人間での流通は阻止すべきでないと考えます。
今、個人が発信源となって、無名な人でも世界にむけて自分の音楽を表現できるようになってきている。そういう面白いものまでもが規制されてしまうのはナンセンスだと。
CD販売は厳しくなると思います。オンラインで曲ごとに買えるメリットの方が大きい。
音楽CDは無くならないと思う。
データの利用はできたとしても、音楽CDにはそれ以外の要素もあり、たとえばジャケットや歌詞カードのデザイン性、さらにCD自体を所有したいという所有欲を持つ人も多い。だから、全てがネット上のデータで終わってしまうということにはならないと思う。
個人が複数のメディアで音楽を楽しむ必要がある。 そのためには厳しいコントロールはできない。
音楽をCDの形で販売するのはどんどん減少していき、P2Pシステムがより幅を広げCDという物はあと5年もすればなくなると思います。 今できるのは、appleのシステムの様に一曲99¢で売る位が限界。曲はただで手にはいるのが当たり前になると思います。
音楽の聞き方自体が多様化してきているので(例えば、i-pod等のシリコンオーディオに曲を入れて持ち歩いたり、あるいはソフトウェアを使って曲にエフェクトを入れて加工したり等)、CCCD等のコントロールはもはや利用者の便宜を損ねるだけのように思います。
これまでのコピーコントロール等の技術を施すことによって、CD売上の減少を止めることができなかった以上、CDの売上減少は単にネット上で無償提供されていたからという理由ではないことがわかった。
今、着うたフルが非常に人気があり好評である。それは、聞きたい時にいつでもダウンロードして聞くことができるという点において、これまでの音楽体形とは異なるものであり、需要者のより緻密な需要に応えることができるようになったからであろう。
自宅にいながら音楽を購入できるだけでなく、試聴も多くの曲で可能である。また、その気軽さ故に、それまでは聴かなかったジャンルの曲を試聴してみることも可能であるため、企業側にとっても新規顧客を得ることができると考えられる。
しかしながら、アルバム1枚あたりをレンタルすると200円程度で大体15曲程度なのだが、ネットワークでは100×15=1,500と、かなりの割高感があるため、しりごみしてしまう。
音楽配信は、音楽業界の協力があり、安価であれば成功する。購入側も安価であれば違法である個人間のデータの交換よりも音楽配信を選ぶと思う。CD販売は現在も販売数が減っているが、個人間のデータの交換や音楽配信が発展していけば、さらに減少していくと思う。
iTunesのようなやり方が普及するとMP3プレイヤー利用者には便利かもしれないが、MDウォークマンをまだ使っているのでWAVEファイルCDは残して欲しい。
音楽データの流れを阻止するのは非常に難しいと思うし、実際音楽でない通常のデータであれば、それほど問題もなく流通しているのだから、規制する方向よりは積極的に活用していく方向の方が望ましいと思う。CDが売れなくなっているのもデータ音楽販売の手軽さ・速さ・安さなど色々な面でのメリットがあるからで、それを乗り越えるようなメリットを創造することで(たとえば、CD+αの付加価値を高めるとか、CDの価格を下げる)CD販売の売上減少を食い止めるとともに、音楽データ販売にも乗りだし、相乗効果や場合によってはシフトしていくことができるのではないかと考える。
今までのCD等の販売とパソコン等での音楽販売は共存していくと思う。ジャケットや歌詞カード・パッケージなども芸術の一部であるから、そういったものを含めて欲しいという人はいるし、パソコンの操作にあまり慣れていないネットで買うのはちょっと、という人もいるはずだ。ネットを通す以上、ある程度の音楽のレコードを下げざるを得ないので、質のいい音楽を提供したいアーティストはCD販売し続けると思う。
ネット配信による音楽とCDによる音楽との差異を考えるにあたって、
(ネット)より手軽に、1曲単位で安く、入手できる。おそらく生産コストも低い。
(CD)ネットの上記のものでは劣っていて「音質」で勝る。
よって、ネット配信による音楽データが圧縮などの関係で音質を向上させられるならCD販売は現在より大きく市場が小さくなると考えられる。
講師からのコメント:
圧縮を掛けているのはダウンロード時間が掛かりすぎないようにする、ユーザ側のディスク(またまメモリ)の量的な負担を軽くするためです。つまり通信速度が向上して、ディスクやメモリの容量が大きくなれば圧縮は不要になり、それに起因する音質劣化もなくなります。いまの通信速度の向上のペースから見て、あと2、3年ほどでそうなるのではないですかね。ではその時を境に、CD販売は大幅に下がると言うことでしょうか?しばらく観察してみたいですね。
CDそのものの販売が無くなるということはないと思う。 その理由は、CDジャケットや歌詞カードがミニ写真集のようになって付加価値を持たせているレコード会社が増えていて、消費者は形として残る物を欲する傾向もあると思う。しかし、確実に売上はさらに落ち込むと思う。
インターネット上での音楽配信では、曲数が多く、1曲あたりの価格が適切に設定されれば大きく普及する可能性があると思う。それは、CDが今後どうなっていくのかということに多大な影響を与えると思うので、これから音楽販売の中心をネット上のものにするのか、それとも、CDを残すためにネットの音楽配信にある種の制限を加えたりするということが重要な論点になると思うが、個人的には利便性から考えてもネット上の音楽配信を中心にしてほしいと思うし、その場合でもCDはCDとして音楽を重視する人や、ジャケットなどに価値を求める人などがいると思うので、行き残る道はあると思う。
音楽データの個人間での流通を阻止することは非常に困難なことで、コストもかかることだと思う。おそらくそのコストは音楽データの販売による利益を食いつぶしてしまうだろう。したがってこういった業界の未来は厳しいものになると思う。
ネット販売での音楽の購入や音楽データの取得はIT産業の発展で、ますます増えるだろうが、違法にする取得もなくならないと思う。それでも、そのようなビジネスはコストとしても既存のパッケージ化された音楽を作るより低くすることができ、巨大化していくと思う。しかし、現在でもレコードやカセットがなくならないように、音楽というものは芸術であるため、経済的な側面だけで音楽産業をとらえることはできない。これからもCDを集める人はずっと集めるだろうし、しばらくはいろいろな音楽取得手法が混在する状態が続きそうだ。
いろいろ借りにいったり返すのに面倒くさいので、インターネットで借りられるなら、そっちの方がいい。しかも安いのなら問題ないと思う。無料でも不正でダウンロードできるらしいけど、私も、もしその方法知っていたらやってると思うので、規制できないのならもうCDの販売は無くならざるを得ないと思う。
新しい音楽販売の展開としてはamazonのようにone to oneマーケティングで個人の趣味に合った曲を配信してくれたらいいと思う。PV付ならもっと買いそう。他はライブとか。
・品切れ・貸し出し中などがないので良い。
・ウィルス等が怖いかも。
・音質を求めるのならCDの方が良いかも。
・広がるのは間違いないと思う。
・私はオーケストラでクラシックをやっているが、今日本で手に入らないCDがある。また、廃盤のものも多い。そういってものがネット上で手に入るということが可能なら素晴らしい。
講師からのコメント:
最後の一点については無店舗の通信販売でよくあるケースで、実際にこうしたことが可能になっています。つまり在庫の問題がないので流通に載せられなくなった過去の商品、売れない商品なども、売れ筋商品などと変わらず提供できます。通信カラオケ(いまのカラオケはほとんどそうです)が割合にそうなっていますよね?(古い曲でも網羅的に提供されている)データ販売ビジネスのひとつのアドバンテージと思います。
・アーティストのファンがいつづける限り、音楽そのものの販売だけでおわってはいけないと思う。インターネットで音楽配信が進むのであれば、CDについている冊子の中身を動画やアニメーションにして提供されると面白いと思う。→文化としての音楽。
音楽業界にとって個人間でのデータの流通は阻止すべきであろう。なぜなら個人間での流通を放っておくと音楽の作り手に報酬が入らなくなり音楽の作り手がどんどん少なくなってしまうからである。