8. 関数

8.1 戻り値と引数

関数を呼び出す時は以下のように書きます。(下の例の abs() 関数は与えられた数値の絶対値を返す関数。絶対値とは符号を抜いた値で、例えば -3 の絶対値は 3 です。3 の絶対値はそのまま 3 。)

  a=abs(b);

関数には戻り値 [1] (もどりち)と引数(ひきすう)があります。上の例では b を引数として abs() 関数を呼び出したので、変数 a には戻り値として b の絶対値が代入されます。
戻り値と引数とはそれぞれ型がありますから、どの関数が、どの型で引数を渡し、どの型で結果を戻すのが良いのか、あらかじめ知っておく必要があります。上の例の abs() 関数は引数、戻り値ともに整数型です。 [2]

関数は計算式の中に書けるので、以下のような記述も可能です。

  if ( ( abs(b) + x ) > 100 ) {
    .....  (目的の処理)
  }

また、一般に戻り値を利用せず、関数の中で実行される処理だけに注目するタイプの関数もあります。いままでときどき出ていた printf() などです。戻り値が必要ない(戻り値を利用しない)場合は以下のようにただ関数名だけ書いて呼び出します。

  printf("試しに表示してみましょう。\n");

ライブラリ

関数を利用する際にはライブラリの include が必要な場合があります。それぞれの関数がどのライブラリに含まれているか、これから示す関数一覧にそれぞれつけておきますので、必要に応じて include すると良いでしょう。

一覧表の見方

以下に標準的に用意されている関数の代表的なものを示しておきます。

#include <stdlib.h>
int abs(int a)

このように書いてあった場合、以下のことを意味しています。

  1. 一行目はライブラリとして stdlib.h を include する必要がある
  2. int abs で関数名と、その戻り値が整数型であることを示し、
  3. ( ) の中の表記で引数が一つ必要で、それが整数型であることを示す



Yutaka Yasuda (yasuda@cc.kyoto-su.ac.jp)