12.2 バッファの切り替え

では表示するバッファを切り替えてみましょう。バッファメニューを表示させた状態で、現在のバッファとは異なるバッファを選択して下さい。

例では sample.txt バッファを表示している状態で、memo.txt バッファを選択しています。これによって再び memo.txt バッファの内容が表示され、モードラインのバッファ名表示も memo.txt になったことが確認できるでしょう。
再びバッファメニューを使ってバッファを切り替え、何度でもこの作業が繰り返せる事を確認して下さい。

キー操作によるバッファの切り替え

Emacs では全ての作業をキー操作のみで行うことができます。バッファの切り替え作業をキー操作で試してみます。バッファ切り替え操作は C-x b に続けてバッファ名を指定し、Enter です。
下図の例では memo.txt バッファに切り替えようとしています。

バッファが切り替わったことが確認できるでしょう。

Emacs では全ての操作がキー操作のみで完遂できるようになっています。 これはもともと Emacs がX window のような GUI 環境がない当時から存在している歴史的経緯からくるものと思いますが、しかしこの性質を好むユーザが多いことも確かです。Emacs でのカーソル移動がカーソルキー(矢印キー)だけでなく C-f, C-b などによっても可能であることを知っていますか?初心者には矢印キーの方が直感的であることは間違いありません。しかしもしあなたが完全にタッチタイプできるのであれば、キーボードのホームポジションから手を動かさずに済む Control キーとフルキーだけで操作が完遂できる方が効率的だと思うでしょう。 Emacs を好む利用者のなかには、このフルキーのみによる操作を極めて重視する層がいます。そしてファンクションキーも、テンキーも、カーソルキーもない、ただフルキーだけからなるキーボードもまた市販されています。その名も HHK (Happy Hacking Keyboard) 。 やあ、奥が深いと感じますか?それとも呆れますか?


Yutaka Yasuda (yasuda@bakkers.gr.jp)