8. これ以降の読み方

これ以降は Emacs を使ったファイルの編集が最低限できる利用者を対象に、より進んだ Emacs の機能や理解すべき概念について書かれています。つまりもう一歩 Emacs についての理解を深め、より Emacs を使いこなすためのチュートリアルです。
以下にこの文書を読む時に押さえるべき点について説明します。

8.1 キー操作表記

Emacs でよく使われるキー操作として、Control キーや ESC (Escape) キーと併用するものがあります。Emacs の世界では伝統的にこれらの操作を以下のように表記しており、この文書でもこれに倣うことにします。

表記例意味
C-xControl キーを押しながら x キーを押す。
C-x C-cControl キーを押しながら x キーを押し、Control キーを押しながら c キーを押す。
C-x tControl キーを押しながら x キーを押し、(Control を押さずに)t キーを押す。
M-xESC (Escape) キーを押してから x キーを押す。
M-x save-bufferESC (Escape) キーを押してから x キーを押し、次に save-buffer とタイプして Enter キーを押す。

ESC キーのことを M で表記していますが、これは Emacs の世界では Meta キーと呼ばれているためです。逆にあなたが使う Emacs 環境では Emacs で言う Meta キーが ESC キーに割り当てられていると考えて下さい。

8.2 モードライン

画面下端にある色の違う一行は編集中の状態などを示しており、これをモードラインと呼びます。

8.3 コラム

本文中に、余り重要ではないけれども雑学的に知っておくと良いことなどをコラムとして書く場合があります。
以下のようなスタイルで書かれた文章がそれにあたります。

Emacs 内部で働いている Lisp 、つまり Emacs Lisp の機能をもっと積極的に使った一人前のアプリケーションソフトが幾つも存在します。 例えば MHE はメイルの読み書きをするアプリケーションですが、これが Emacs というテキストエディタに読み込まれて動作するのですから面白い。つまり本来テキストエディタであったはずの Emacs ですが、こうした場面ではテキストを読み書きする機能とプログラムを実行する機能の主従関係が逆転しているわけです。 それ故、Emacs はもはやエディタとして捉えるべきでない、と表現されることがしばしばあります。

時間と心に余裕のあるときに少しずつ読むと良いでしょう。


Yutaka Yasuda (yasuda@bakkers.gr.jp)