2進数を教えるための教材
2進数にはじまり、幾つかの種類の数の数え方についてのサンプルを作って
みました。内容は Flash によるものです。単純に .swf ファイルを
Web ブラウザで表示させれば、特定の進法で桁上がりしていくカウンタが
現れると思います。以下には HTML に埋め込むサンプルを示しておきます。
Flash ファイルを直接 Web ブラウザに Drag & Drop してもよし、
説明の状況に合わせて工夫はいろいろ出来るかと思います。
Flash の元データなどを利用されたい場合は
ファイルリスト
をご覧下さい。
作成したときのメモ
2 進数については、おそらく中学校あたりで教えられる機会があるはずですが、
単に計算手続きだけを説明するからか、実用的でないからか、大学生のほとんど
全員が「有限種の記号による数の数え方における桁の概念」ということを
理解していません。
そのために「我々は紙の上(と恐らくは頭の中)で 10 進数で数値計算をして
いるが、計算機の中では電気信号を用いて 2 進で扱っている」ということの
意味が理解できません。当然そこにある「なぜなら二値の回路に比べて三値、
十値のデジタル回路を組むのはとても難しいから」ということにも思考が
及ばないのは明らかです。
高等教育以前の課程で、「想像力を広げる」部分について教えるチャンスは
幾つかあるかと思いますが、それがあまりうまく活かされて無い部分の一つ
のように思います。
思考停止させる可能性の高い典型的な問題設定として私がまず思いつくものは
「10進数の 123 を 2 進、5 進、16 進数でそれぞれ表記せよ」といったものですが
実際それだけを実行するように言われた場合、自分が何のために、何をしている
のか分からなくなっても不思議はないと思います。
私は従来「(自動車についている距離計のように)回転するドラムに 10 種の
記号が書かれているカウンター」を想像させ、それが 0,1,2...9 まで回転した
あと、9 が 0 に戻る(一周した)とともに隣のドラムの 0 を 1 に押し上げる
ところを想像させることにしています。n 進法というのはつまりこのドラムに
書かれた記号が何種類あるか、ということを 10 から変化させているのだ、
という説明を経た後は 2 進法でのカウントと表記で何が起きているか分かって
くれるようです。(ドラムに 10 種の記号がある例から、2 つしか記号が
無い例まで一足飛びにするより、5 種、3 種、2 種と落としていく方が
より分かりやすいようです。)
この Flash ムービーはこの説明をするときに身振り、手振りでやっていたものを
映像化したものです。実際見せる方が身振りで想像を湧かせるより有効かどうかは
まだわかりません。
Yutaka Yasuda (yasuda@cc.kyoto-su.ac.jp)