一般教育研究センター 講師 | 安田 豊 (2126)

#01 商社の可能性 FUSION を例に

科目名:情報処理の概念B8(K01)教室
担当者:安田 豊

(2002年度 水 1)

出題日:2002/10/30 (時限指定なし)

提出期限:2002/11/08 (時限指定なし)  締切一週間前

回答形式 : メッセージ

本文 :

良いレポートが出てきたので、締め切りを伸ばします。
まだ出していない人はこの機会に出してください。

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講義では FUSION を例に、一つの技術がどのように一つの企業のビジネス・モデルを作り上げ、また、その周囲の市場をどのように変化させていったのかを解説した。

・商社という本来技術開発を直接行わない業種から、なぜこのような事が起きたのか?今後もこうしたルートでの成功の可能性はあるか?
・FUSION にとってこの先、もっとも大きな問題は何か?
・今後、中抜きされる可能性の高い業種にはどのような可能性があるか?
・今からこうした新しい技術によるブレイクスルーがあるとしたらどのような事か?

以上のようなことに注目して簡単に自分の意見をまとめよ。
講義の要約ではなく、肯定的な立場を取るならその理由を、否定的な立場を取るならその対案(対抗的な自分なりの案)を具体的に説明すること。

#このような問いには正解も間違いもない。
#自分の思考を明確に表現できることが重要。

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かわりに、先に行われた FUSION 取締役、辻氏の講義で課せられた
「FUSION COMMUNICATIONS ビジネスモデルの考察」
をここに回答しても良い。

結果はともに公開する予定である。辻氏への課題の回答はそのまま辻氏に転送する可能性がある。

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資料ファイルは以下の通り。

jgainen03.pdf : 辻氏講演資料
jgainen05.pdf : 10/30 講義資料

資料ファイル :

jgainen03.pdf
jgainen05.pdf


提出日 2002/10/31

マーケティング力とリサーチ力を持って明確な勝算計画があるために商社がこのような業種に入ってこれたと思われる。今後もこうしたルートでせいこうするには技術力次第と考えられる。
fusionにとって大きな問題は、IP携帯電話(無線LAN)の普及率と価格やインターネット電話など注目されている分野などは注目されているため、IP電話はシビアになりそうである。
たとえば、遠くない未来には一家に一台家中のことを管理している安くて高性能なサーバがある可能性は、十分考えられる。そのときにはインターネット電話はIP電話より安ければ、驚異的である。
今から、こうした新しい技術によるブレイクスルーは今後も生まれてくると思われるが難しいと思う。
fusionはある程度インフラされている分野であるため成功したが、今後新しい技術があってもその技術が莫大なお金がかかるものであれば手を出しづらいためきびしいと思われる。

講師コメント:
少々日本語がバラバラで意図を汲みづらいところがありますが、、、
ざっと読んだ印象では、そのとおり IP 電話にどう FUSION が対応するか、が鍵となるでしょう。 日本で中規模ベンチャーが成功するのは難しいという印象が講師にはありますが、FUSION はみごとに成功しました。 未来に対して悲観的になるのはわかりますが、FUSION は「日本もまだまだ捨てたもんじゃない」と思わせてくれました。 その意味でもう少し将来についても「道は開けるのではないか」という思いをもっています。

提出日 2002/10/31
新しい技術によるブレイクスルーの一つとして、音声認識携帯電話が考えられる。つまり、相手の名前を言うことにより携帯に登録されている相手に電話をかけることが可能になるというものである。この技術は、同じ名前の人はどうするのか、などの問題も多いが、うまく実現できれば現在携帯を利用していない高年齢層の人たちも利用するようになるのではないだろうか。これにより、あらたな顧客が獲得でき、これに成功した会社は業界の中心的存在になるだろう。また、その一方でますます携帯以外の電話の利用度が減り、それらの業界に与える影響も大きいものと思われる。

講師コメント:
いわゆるデスクトップ機器の文字入力ユーザインタフェイスとしてはキーボードが極めて有効に長らく機能しています。 対して携帯機器のユーザインタフェイスとしては有力な手段を長い間かけて、しかし今でも多くの企業が模索しています。 決定打がないのですね。 その意味で音声認識というインタフェイスが実用化される可能性は高いのですが、逆にそれが市場を占有する技術と なるようには余り思えません。つまりインタフェイスとして決定的にはならないだろう、と思えるからです。 ここしばらくは恐らく多様な文字入力手段が併存していくようになるのではないでしょうか。

提出日 2002/10/31
・FUSION にとってこの先、もっとも大きな問題は何か?
 私は、他の企業がこのビジネス・モデルの真似などをし、通話料などの料金がこの会社以上に安くなったりしたとき,FUSIONにとって大きな問題になると思う。その理由は、FUSIONの良い所は、大きくは“通話料の安さ”にあると考えているからだ。もし、ほかの企業がこれ以上に安くしたら、その良さがなくなってしまう。また、FUSIONの名もそれほど知られていないと感じる。有名な企業が、FUSIONと同じ様な値段とした時、その企業の方が安心感があり、客を奪われてしまうと私は考える。だから、この問題を解決するためにも、もっと名を上げていくことが大切だと思うし、さらなる技術開発を行いよりよい環境を提供していく必要があると思う。

講師コメント:
良い視点で、その通りと思います。 FUSION はその意味で、変化しながら疾走し続けることになるだろうと考えています。 昔 IP 中継系電話。いま IP 電話。さて、その先は?というわけです。

提出日 2002/11/05
★商社という本来技術開発を直接行わない業種から、なぜこのような事が起きたのか?今後もこうしたルートでの成功の可能性はあるか?
→今後もIT分野で新興技術を発掘して、販売するというビジネスモデルは無くならないと思う。そういった技術を開発している側も自分の技術を高く買ってもらい、また大企業に買収される形がベンチャーとしての成功のモデルとして考える技術者が多くいると考えるからです。
→SONYも商社ではありませんが、最近では銀行業務や、保険なども取り扱い、新しい可能性を見出していると思います。(GEの影響かもしれませんが・・・)
★FUSIONにとってこの先、もっとも大きな問題は何か?
→価格競争で無くなったとき・・・
→NTTなど強大な力でIP電話に関する技術開発を進めてきた場合、インフラを持つNTTが有利な立場に立つと思う。
★今後中抜きされる可能性の高い業種(旅行代理店・)にはどのような可能性があるか?
→英語が話せ(使え)、少々のパソコン技術があれば旅行代理店は無くなると考えます。しかし、すべての人がそうではないと思う。自分でチケット予約をするのが面倒だという人が減る訳ではない。そのため、ツアー企画の面での業種は残っていくだろう。ただし、その時、インターネットの利用のため、かなりのコスト削減が見込まれる。つまり、価格競争が激化し、できるだけオンライン予約・発券システムを利用できたものが生き残る。したがって、弱小企業などは資源投入の資本がなく、それもできずに終わるならば、撤退、もしくは倒産の道しか残されていないであろう。したがって、旅行業者にとっては今、どのように生き残って行くかを選択する重要な時期に来ていると言える。今までとは異なり、これからはインターネットに関して触らず嫌いという人が少なくなる。つまり、今までのようにコンピューター自体を触れないという人が減っていくのである。そのことを考えれば、旅行業者は顧客が自らチケットの予約を行う前に、オンライン予約・発券システムを自社内に確立し、それを的確に利用できる人材を育てていくべきであり、オンライン予約・発券システムから情報を得て、どのルート、宿泊施設、観光施設がたくさん利用されようとしているか、つまり何に人気があるのかを知り、それをツアー企画へと役立てていくことも必要だろう。もちろんそれは、インターネットを介してアンケートを取ることで行うこともできる。そのようにインターネットを最大限に利用しつつ、将来、複雑なオンライン予約システムになり、代行者が必要とされるまではツアー企画の方へ特化して業務を行っていくべきだろう。
★今からこうした新しい技術によるブレイクスルーがあるとしたらどのような事か?
→とても難しいが、バイオやナノテクなどの分野で医療技術のブレイクスルーがあるかもしれないと思う。しかし、医療分野はすべての人に平等に与えられるべきであり、ベンチャーや企業によって、一部の人しか受けられないような医療ではいけないと思う。

講師コメント:
おおむね良い視点と思います。 旅行代理店のような情報ビジネス(実はチケット販売ビジネスではなく、あれは情報サービス業だと思う)は、 良い情報を提供できなくなったときに物販システムだけの競争となり、小売りは多くのケースで直販に負けると 講師は考えています。 ツアー企画への特化、というのはつまり特殊な快適情報をサービスする、ということを意味しています。 この意味では回答者の視点は当たっていると思います。 たとえば「安全情報」を旅行代理店は売れるか?「安全」である、ということの「裏書き」を旅行代理店は どうやって獲得するのか?

今後、新聞社なども中抜きの対象になります。彼らは情報を AP のような通信社から買って流しているわけですが、 今後通信社が顧客にニュースを直接流せるようになる過程で、新聞社に残される役割は印刷所と配達所の機能以外には 情報の取捨選択と編集だけになります。 将来の新聞社はつまりニュースのコーディネイトと信頼の提供が主要業務になるはずです。

最後の意見は非常によい視点で、技術のことを考えながら医療の本来の目的を回答者が見失っていないことを 講師は非常に嬉しく思います。 技術は人間に奉仕するものでなければならない。これは未来永劫変わらない。

提出日 2002/11/05
FUSIONが成功したのは、競争の少ない長距離電話の市場があり、それに対する技術がそろっていたためである。
このようなことは、他の電話会社の技術の転換に対して鈍かった(つまり、競争が少なかった)ため、今後こうした
ルートで成功する可能性は、競争の少ない市場が無い限り小さいと思われる。

講師コメント:
日本という国の中にはまだまだ競争の少ない(競争力の弱い)構造はあると思いますよ。 恐らく世界中にあるとおもいます。

提出日 2002/11/05
徹底した固定費用の削減や少数精鋭志向に加え、日本ではまだ新しいIPに基づいた通信技術の提供。
日本全国どこでも3分20円と、NTTでは同等サービスに数百円単位の課金がなされていたが、
その数分の一という料金で長距離通話サービスを受けられるというのは一種革新的であった。
FUSIONは確かに、低価格長距離通話の分野で先駆者としての功名を得たといえよう。

しかし、未だマイラインのシェアはNTTグループが掌握しており(*1)、
日本人特有の保守的観念(どこでもいいならとりあえずNTTを選択する)とも相まって、決してFUSIONが優勢であるとは言いがたい。
ランチェスター戦略を髣髴とさせる、長距離通信のみの局地戦を仕掛けた姿勢は見事としか言い様が無いが、
シェア低迷の原因は、それ以前の実績やバックボーン、名声が世間の認識として皆無だったということに起因するのではないか。

近くIP電話が普及するとしても、それは間違いなくNTTの半独占状態になると予想されるため、FUSIONの今後の課題はもっと自社の特色を前面に出した営業活動だと思う。
FUSIONの先駆性を売りにした、巨人には出来ない突飛なサービス――例えばIPとブロードバンド環境を利用した定額テレビ電話サービスなど――を行っていって欲しい。
消費者の「どこでもいいけどとりあえずNTTにしておこう」という意思を「FUSIONにしよう」という意思に促すことが大切で、
現在は名の通っている小人のFUSIONだからこそ行える営業に期待したい。


≪参照≫
(*1)http://www.myline.org/report/sep_2002.htm

講師コメント:
最後の営業方針に対する期待は非常に妥当で、今後重要になる部分だと講師も考えます。

提出日 2002/11/05
・商社という本来技術開発を直接行わない業種から、なぜこのような事が起きたのか?今後もこうしたルートでの成功の可能性はあるか?
FUSIONの場合は、インターネットも普及とマイライン制度の開始というものが、
ちょうど、同じ時期にやってきて、このようなビジネスモデルができたのだと思いました。
商社は、マーケティングなどで時代の流れをよく読んでいるとおもうので、
そのような、流れを読む事から、ビジネスモデルができたのだ思いました。
技術の発展が早い業界では、時代を読む力と、どこよりも、早く動く機動力さえあれば、
このようなことは、今後も十分にあると思います。

・FUSION にとってこの先、もっとも大きな問題は何か?
大きな企業が同じようにIP電話のような技術を使って産業に入ってきたら
どうたちうちするのかが、課題だと思います。
起業家の方の話しを聞く機会があって、このような事をいっておられました。
その方は、インターネット業界の人だったのですが、どれだけいいアイデアや
今まで無かった事をして、支持されはじめたとしても、
インターネット人口より、TVや雑誌を見ている人口の方が多いので、
大企業に膨大なお金を使われて、いろんなメディアで宣伝されると
それを通じて、知った人は、後から入って来た大企業の方が第一線とおもい
後から入ってきて、宣伝活動を活発に行った大企業のほうが支持されはじめ
シェアがとられてしまうとおっしゃっていました。
だから、他の企業が参入してくる前に、
FUSIONが第一線にいるという事を宣伝活動するひつようがあるとおもいます。
特に、メディアにうといお年寄りなどから、支持を得られるまで、
宣伝するべきだとおもいます。
常時接続が当たり前になったいま、現在インターネット電話はまだまだ使えたものでは
ありませんが、IPV6の技術が普及するとインターネット電話の質もあがり、
電話料金タダの時代がやってくるかもしれません。
そのような事も考えていかなければ行けないと思います。

・今後、中抜きされる可能性の高い業種にはどのような可能性があるか?
一つは、FUSIONのように新しいビジネスモデルを構築する事によって、
可能性があるとおもいますが、そう簡単にビジネスモデルを構築する事は
なかなか出来ないと思うので、
充実した付加価値をつけることにより、中抜きされないようにすることによって
可能性が広がると思います。そのためにも、ユーザではなかなか持てない
同じ業種ごとの横のつながりをもち、中抜きをしてはできないような
サービスを考えていく必要があると思います。

・今からこうした新しい技術によるブレイクスルーがあるとしたらどのような事か?
今、量子コンピュータというものが開発されているそうですが、この技術が完成すると
今コンピュータにとって変わる存在になると思います。
量子コンピュータが出来たとすると今のコンピュータでは、暗号解読がほぼ不可能だったものも、
可能になると聞きました。
もし、これが本当だとすると、今のセキュリティは意味をなさなくなるとききました。
この技術が、完成するのか、しないのか、何年先になるのかわかりませんが、
これにより、セキュリティ分野での大きな需要がおこるのと、
もし、量子コンピュータができると、今までコンピュータの能力の無さで
不可能とされていた事が可能となり、それによって、新しい分野がいろいろと、
ひらけると思います。

講師コメント:
電話がタダになったときに FUSION はどうするのか?という問いは辻さんにそのまま ぶつけてみたいですね。(IPv6 とは余り関係ないと思うが、、、)

量子コンピュータは講師がよくわかっていないので講義で取り上げるかどうか微妙な 状態ですが、いま見えている新しい可能性としては大きなものの一つだと思います。

提出日 2002/11/05
 一つの総合商社がビジネスモデルを作り上げることの出来た要因の一つに、その総合商社を取り巻く外部環境が新事業に進出しやすい状況に整っていた、もしくは整いつつあったことがある。整っていた、もしくは整いつつあった外部環境とはFUSIONを例にあげると、通信ビジネス産業が巨大な市場で、数パーセントでシェア採算が成り立つものであったこと、一般家庭におけるインターネット環境がそろっていたこと、そして、日本がデフレ傾向に陥り、今まで以上に消費者が「低価格で品質の良いサービス」を求めていることなどがある。このように書くと、FUSIONが運が良かっただけのように見えるが、違う。FUSIONは顧客・消費者が求めていることと自社の技術を結合させたことにより、このようなビジネスモデルを作り上げることが出来た。つまり、顧客・消費者が求めている満足に耳を向け、それを満たせるように、自社の強みを結びつけることが2つ目の要因である。
 様々な企業、特にこれから中抜きされる可能性のある企業、新しくビジネスモデルを作り上げようとする企業にとっては、顧客・消費者の声を中心とした外部環境の目を向け、その中での自社の強み、弱みを見極め、それを有効に活用していくことが必要である。

講師コメント:
まるで企業広告のようなコメントになりましたね。 うまくまとまっていますし、原理的、構造的にはそのとおりと思います。 問題は構造的にうまく行きそうに見えるのに多く失敗するベンチャーと、FUSION はどこが違っていたのだろうか? ということでしょうか。 後知恵としてはこうした意見がどうしても付きやすくなってしまうので、そうではない、未来を予見させるアイディアに ついて話してくれるともっと楽しいレポートになると思います。

提出日 2002/11/06
●商社という本来技術開発を直接行わない業種から、なぜこのような事が起きたのか?今後もこうしたルートでの成功の可能性はあるか?

 現在の産業の中には成熟期に入ったところも多数存在する。
 そういうところは、もう急成長が望めないばかりでなく、
 下手すると中抜きの対象にもなりかねない。
 そこで、生き残るためにはやはり新たな事業を開拓していかねばならない。
 ただ、成功するには何かしらの技術力や情報などの武器を持ってなければ
 行き抜くのは難しいと思われる。

●FUSION にとってこの先、もっとも大きな問題は何か?

 やはりそれはさらに資本力のある企業が同じ事業に参加してきた時だと思う。
 後発であっても力で押し来られると、予定していたシェアも奪われる事になると思う。
 それまでに「IP電話のFUSION」みたいに知名度を上げれるのかが鍵になるのではないかと思う。

●今後、中抜きされる可能性の高い業種にはどのような可能性があるか?

 普通にモノを売っているだけの業種はまず可能性があると思われます。
 今はそこまで一般的ではないが、環境が整いオンラインでの商取引が活発になれば、
 店舗を沢山持つ意味も薄れてくると思われるので、
 ただモノを売るだけの業種は確実に削られていくのではないでしょうか。

●今からこうした新しい技術によるブレイクスルーがあるとしたらどのような事か?

 可能性が高いのはやはりまだ発展途上のIT関連からだろう。
 論点からそれた話かもしれないが、
 数年前から世間をにぎわしている『WinMX』などのファイル共有ソフトは
 確実に音楽CDやソフトウェアなどのデジタルデータを扱う業界にとって
 脅威になっていると思う。
 なぜならばデジタルデータがP2Pすなわち個人から個人でやりとりされているからである。
 間には何も通さず、しかもそれがネット上という世界規模での話になれば、
 もうこれは大きなブレイクスルーと呼べるのではないだろうか。

講師コメント:
最後の部分は技術的にはもうかなり動いていて、力わざでやってしまうぶんには 現実のものになってしまいましたね。(あれで地球上で様々な情報をやりとりしようとなった 時にはスケーラビリティ(拡張性)の時点で破綻すると思いますが、ともかく。)
P2P は多くの企業も注目しています。それだけに自分のアイディアが出づらい(話として 先にメディアに載ってしまうので自分の想像力が働かない)部分です。 ぜひ、その先を考えてください。ファイル交換が可能になった、その時どのようなことが おき、どのような方法で解決することになるでしょう?

提出日 2002/11/07
FUSIONのこれからの問題として、一つは「競争」だと思う。今現在FUSIONは、講義の通りVoIPやDWDMといった技術により価格において競争相手がいない状態で、長距離電話では一人勝ち状態にある。しかし、この成功を見て、どこかの企業が同じ技術で参入してくる可能性は少なくない。その時その企業がFUSIONにはない新しいサービスを提供して巻き返されるかもしれない。そういった事態を防ぐ為に、ただ価格を下げるという事も重要だが、顧客を定着させ、かつ新しい顧客を得る為に新しいサービスを考える事も大切だと思う。

今のFUSIONの顧客は会社単位での顧客が多いと考えられる(個人で長距離電話を「たくさん」掛ける人は少ないため)ので、もっと家庭にも普及するような(使いたくなるような)サービスを考えれば良いと僕は考えます。

講師コメント:
たとえばどんなサービスが、家庭で受け入れられて、しかもよその企業にとってやりにくく、FUSION にとって有利なものが あるでしょう?FUSION が成功したのは自分たちが先に自分たちの得意な土俵にあがったからです。そこを忘れてはいけません。 この先、FUSION にとって、どのようなところが競争力のある分野になるでしょう?

提出日 2002/11/08
・商社という本来技術開発を直接行わない業種から、何故このようなことが起きたのか?
 今後もこうしたルートでの可能性はあるか?
 
 FUSIONのような企業は、技術開発能力をを持たないからこそ生まれたのだといえる。
実用性を伴った技術は研究だけでは生まれてこない。実際にそれらの技術が世に出て、それを利用する人間がいなければ技術は発展しない。企業自身による技術開発は必要ではあるが、それには莫大な資本を必要とする。リスクの大きさという点で見れば、FUSIONのような、(先端のものを含む)既存の技術を利用した起業方法は非常に理にかなっている。また技術を組み合わせることで、応用に耐えうるシステムを作り出せることができる。FUSIONの成功の理由は、技術力ではなく、発想・想像力だと言える。
 既存技術の組み合わせや、先端技術の利用による起業はこれからもこれから増えるだろうと思われる。FUSIONはベンチャー企業の少ない成功例であり、技術の複合利用による起業という点でよい先例を作ったといえる。ここまで見事に成功する例は少ないかもしれないが、今後も同様のベンチャー企業なくなることはないだろう。

講師コメント:
はい、視点は当たっていると思います。できれば回答者のアイディアなり提案がほしかったところです。 大学のレポートはどうしても後知恵的回答となりがちです。そう求められてしまう傾向があるのかもしれません。 それに慣れて何の意味があるわけではないですから、ぜひ自分のアイディアを出すようにするとよいでしょう。

提出日 2002/11/08
FusionにおけるIP電話だが、たしかに低価格は魅力である。相手がpcを持っていれば自信のマイライン加入の必要性も薄くなってくる。しかし、一般電話からの着信の不可能や、緊急電話の利用不可能など、IP電話自体の改善が求められるべきだと思う。しかし意外とFusionの名は知られておらず、ここにNTTなどが本腰を入れてきたら、また新しく違う何かの先駆者になって対抗策を打ち出せるかが鍵だと思う。

講師コメント:
広報に力を入れるべきだ、という点と、機能的な不便さを早急に解決する、というのは正しいアプローチだと 思います。実際かなり進んできましたよ。ついにインターネットサービスプロバイダ間で提携して IP 電話を 通すようになりました。これで NTT を経由せず、電話が可能になります。この国の中では画期的なことです。

提出日 2002/11/08
FUSION にとってこの先、もっとも大きな問題は,簡単にいえば,他の電話会社が,同じようなIP網を使って,FUSIONの実現した,3分間20円の全国一律料金で利用できる市外電話サービスを,もっと安い価格で実現することである。しかし,もっと安く無くても,同じ全国一律3分間20円という価格をNTTが実現したら,消費者はFUSIONよりも,NTTを選択すると思う。FUSIONのサービ
スは,今では,他の会社に比べれば格安であり、全国一律という点で画期的なことは確かだが,FUSIONの知名度はまだまだ低いし(最近CMでよく見るが)、低料金ということだけでは,顧客を獲得できないというのも,問題点の1つだと思う。また、FUSIONが設立からわずか1年でサービス提供にこぎつけたということは、他の会社も,早い時期にこの競争に加わってくる可能性があるということでもあると思う。NTTを越えるのはかなり難しいことではあると思うが,知名度と信頼性をどれだけ早く確立していくかがFUSIONの今後の最大の課題だと思う。

講師コメント:
なぜ黙っていたら NTT を選択するのでしょうね。例えば今、NTT と一切契約していない人が増えています。つまり 固定電話をおかず携帯電話だけという人ですね。このような人たちは NTT が心理的に優先になる、ということは ひょっとしたらないのではないでしょうか?
だとしたら、今後は「まず最初に契約する回線」がどこになるか、が重要なのかも知れません。 それは電話でしょうか?携帯?それとも Internet Service Provider? 案外、次の世代の「黙っていたら」は ISP かもしれませんね。

提出日 2002/11/08
 ・商社という本来技術開発を直接行わない業種から、なぜこのような事が起きたのか?今後もこうした ルートでの成功の可能性はあるか?
 FUSIONが成功した理由の一つとして、通信事業者としてNTTが独占していた時代に既存回線を利用し、敷設コストを少なくすることや、社員数を出来るだけ減らすことで、人件費を節約し。その分を消費者に還元するシステムを利用したための低価格を実現できたからではないかとおもう。現在では当たり前のことである、「消費者のニーズを把握し、それにもとづいた商品開発をする」ということを、かなり前から行っていたためにIP電話サービスの成功の第一歩を踏み出せたんではないかとおもいます。
 しかし今後、FUSIONのような一般的に名もあまり知られていない会社は次々に何か新しいこと(Yahooがブロードバンドサービスを提供しはじめ、成功したように)、通信事業一本でやっていくのはかなり大変だと思います。新規参入はかなり難しいが、携帯電話・PDAなどを利用したサービスも展開してはどうだろうかと思う。
 
・FUSIONにとってこの先、もっとも大きな問題は何か?
FUSIONは確かに低価格・高品質な通信サービスを提供してきたが、現在では大手検索サイトのYahoo!JAPANが提供しているYahoo!BB が全国一律(アメリカ本土への通話も)3分7.5円、加入者同士だと無料というようなさらに安い通話料金設定をした企業がでてくると、FUSIONの「低価格」という見出しはあまりにも意味がなくなる。残りは「高品質」だが、現在の不況の中では品質よりも価格を優先する人が多くきびしい。この問題を克服するには一番難しいことであるが、他社には出来ない付加価値をつける、大々的に宣伝・広告活動を行うなど、消費者にもっともっとFUSIONの存在を知ってもらわなければならない。

 ・今後、中抜きされる可能性の高い業種にはどのような可能性があるか。
このまま単一の企業でいるだけでは大手には立ち向かえないと思う、やはり小さな企業でも中企業でもいいから出来るだけ多くの企業・会社と手を結び合い 規格統一などでシェアを勝ち取っていくほうがいい。もちろん大企業にはない、ほかの中小企業を納得させるような武器・戦略が必要だと思います。

 ・今からこうした新しい技術によるブレイクスルーがあるとしたらどのような事か?
自分にとってこれを考えるのは大変難しいことだと思います。現在プロバイダー各社がYahoo!BBに続いて新しいインターネット電話サービスを展開しようとしています。もしこれらのサービスが広まり一般的に定着したところで、新しい技術が出ても。消費者はすぐには新技術には対応しないだろうと思います、やはり値段の安い、手軽な今のままでいいんじゃないかという人が多いんじゃないかと思う。
 こうしたことから次のブレイクスルーは価格的に更なる進化(全国通信料無料など)が出てこない限り市場には大きな動きは見られないのではないかと思います。

講師コメント:
まずFUSION本来の専業体制と多角化のどちらを取るか、というのは非常に難しい問題なのだと講師には思えます。 今でも徐々に FUSION は多角化してきていますが、回答者が挙げるほどの振れ幅はありません。そうした道を とるか、どうか。難しいですね。
回答者が挙げているのは技術的ブレイクスルーより市場的ブレイクスルーではないかと思いますが、講師はこの 分野については比較的早くそれがおきそうに思っています。
米国が市内電話無料になったのと、日本が従量制になったのは、技術だけではなく、慣習やある種のタイミングに 依存している部分があります。この先電話という市場がどのような方向に進むのか、実は技術だけでは決まりません。 その意味でここしばらくは僕らの当面の電話の未来を決定づける、重要な数年になりそうに思っています。


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