レポート:SONYにおける SUMSUNG や LG に対するアドバンテージ

一つ目の質問はデジタル放送として可能性がある展開の方向についての検討です。 地上デジタル放送が行われつつあるのに、その説明などを見ると、それがまったくデジタル的な利点を 活かしていないように見えます。
もう一つの質問は SONY のアドバンテージについての検討です。 SUMSUNG や LG など韓国や台湾、中国のデバイスベンダーがかなりの勢いで技術的な進歩を実現し、 かつては日本が世界的にも大きくなシェアをもっていた家電機器市場において、開発力、生産技術ともに 日本と十分に競争できる状況になっています。 それに加えて人件費などの面でのアドバンテージもあります。
クラスでは 1 月の CES の事例を含め、SUMSUNG や LG が液晶やプラズマディスプレイなど高度な製造 技術を要する分野でも日本のデバイスメーカーと並び、追い越していることを説明し、例えば SONY に残されるアドバンテージがどのような分野にあるか、考えて貰いました。

講師から

最初の質問については、例えばフレームサイズや fps (frame per second、一秒あたりのコマ数) を自由に設定できるタイプの放送方式をあげました。 現にいわゆるインターネット放送はそうなっています。 解像度(フレームサイズ)、fps、圧縮率などはすべて放送側のサービス能力と想定する回線の帯域などを パラメタとして自由に設定されています。視聴者が選ぶことができる場合も多い。 デジタル放送とはつまり End to End でデジタルデータを「放送する」 (電波などを使って多くの人に同時に配信する)ということです。 逆にそれ以上の何でもありません。 つまり地上デジタル放送とは 120Mbps 程度の無線データ転送機構であり、それ以外の制約条件を 与えることは放送の自由度を下げるだけです。 もし現在の地上デジタル放送にフレームサイズや fps に関するデータが含まれており、ただ最初に 提供する機器を安く、簡単にするために特定サイズと fps でやろう、という取り決めをしているだけ なら良い方向性だと思います。 もしそう言ったデータが全く含まれておらず、将来にわたって特定解像度、fps しか使わないという 仮定をしているのなら、あまり将来性のない設計だということになります。
放送側だけでなく受聴側もさまざまな工夫ができるようになるでしょう。現在のハードディスク レコーダーで可能になっているような視聴の仕方、つまり勝手に録って、時間のあるときに蓄積 されている番組の中から好みのものを選択して見る、というような放送の受け取り方ができるでしょう。
デジタルデータという性質と、デジタルコンピュータによる助力が可能にする方向についての変化を 考えないデジタル放送はかなり残念なデジタル化だと思います。

後の質問については、 基本的にはデバイスメーカーとしての比較以外のところで考えてくれると良かったかと思います。 講師が示していたのは SONY はデバイスベンダーではなく、デジタル・ビジネスに関わる広範囲な 業種に自分の会社を持っている、と言うことでした。 銀行(sony bank)、ISP (so-net)、レコード会社 (CBS SONY, SONY Music Entertainment)、 映画会社 (Columbia Pictures, SONY Picture Entertainment)、携帯電話 (SONY Ericson)、 PC (VAIO)、ゲーム機 (PlayStation)、そして話題のハードディスクビデオレコーダー。 ただデジタル関連の会社だけというわけではなく、彼らは明らかにデジタル・エンタテイメントに集中 しています。彼らが例えば映画のダウンロード販売のようなあたらしいビジネスを始めようとしたとき、 彼らはそれに関わる全ての会社を既に持っています。 コンテンツを探し(もちろんライセンス処理を行い)、家庭に配信し、そこで再生し、精算(決済)する、 そのために必要な全ての会社とインフラをほとんど確立しているように見えます。 この点において、SUMSUNG や LG とは一線を画しています。 (逆に世界のどこにも SONY のような会社はないかも知れません)
将来デジタル分野であたらしい動きを起こそうとするとき、SONY にはかなり大きなアドバンテージが あるように思います。 SONY が PC (VAIO) を作るのは、他社との競争のためでなく、自分たちが望む デジタル端末としての機能を満足する PC が世の中にないからではないでしょうか?

受講生からの回答

全文、原文のままですので、誤字や途中になっているものなど多くあります。

  1. ・レンタルショップに行く感覚で映画がいつでも見れる。再放送を待たずに済む。
        ●    【 放送コンテンツD-base】 ダウンロード ⇔ 番組選択 【TV】
    ・ソニーはエンタテイメントを事業主軸の一つにしており、ソフト面でのadvantageがある。
    講師からのコメント:
    エンタテイメント関連事業はソフトが非常に重要ですが、デジタル世界ではいかにして集金するか (決済するか)が非常に重要になります。それがないとどのようなことが起きるか、ということは 音楽業界が Napstar でどのような状況になったかを見ると分かるでしょう。 SONY はこの面について出井さんがたびたびコメントを出しています。調べてみると良いとおもいます。


  2. ・今のようにチャンネルを選択してその時間帯に放送している番組を見るのではなく、放送局にストックされている番組の中から選んで自由な時間に視聴する事ができるようになる。
    ・デジタル技術を生活に取り入れる方法にアドバンテージがある、質的な変化を起こす事ができる。

  3. ・録画とかをしなくても、1日単位や一週間単位で区切って、その期間であれば好きな番組を好きな時間に見れるようにしてほしい。
    ・電気製品以外の分野も幅広くやっており、新しいことをするときに動きやすいから。

  4. ・光ファイバーインターネット網を通じてのテレビ放送ができるようになれば、一本の線(つまりジャック)で、電話、テレビ、PCでのインターネット、そしてセキュリティなどの一元化ができる。するとNTTの電話回線がなくなり、世界中で日本のテレビ放送が簡単に見れ、著作権の規制がとても大変になる。
    ・SONYはテレビ液晶など家電製品、AV機器など、多岐にわたって製造しているが LGとSUMSUNGと異なる点は、ユビキタスやロボットの製造などを行い、次世代の生活スタイルの提供を旨としているから。まったく方向性が違うといっていいと思う。
    講師からのコメント: SONY は生活スタイルをまるごとデザインしようとしている、という点については全く同意します。 彼らがエンタテイメント分野に集中しているのは、まずそこに先行して投資が向くからです。 いわゆるパイロットユーザが多く期待できる、パイロット分野がそこなのですね。

  5. ・放送時間帯という物を気にせず、週一回更新などといったスタイルで放送を行えばいいのではないかと思う。
    ・例えばPSXのように、様々な製品を組み合わせたような物を販売できるという事。すでに、様々な製品を販売しているので、それを一つの機械にするという新しいチャンスを持っている。

  6. ・テレビでインターネットができるようになる。逆にコンピュータがテレビの役割にとって変わる。
    ・SONYは他分野にまたがって事業を行っているから、将来的にそれらがリンクしたようなサービスを提供する事ができる。
    講師からのコメント:
    具体的なリンク(連携)についての意見があるとなお良かったと思います。 講師の想定は「決済」のための連携、です。どうでしょう?


  7. ・ビデオのように自分で停止、再生ができるようになる。
    ・SONYは常に新しいマーケットを創造しようとしている、SUMSUN_GやLGはそれの模倣であり、仮にトップに立ったとしても引っ張っていく力は持ち合わせていない。そのため、現在の技術では劣る物があるとしても、それをひっくり返す事のできる力をSONYは持っているといえる。
    講師からのコメント:
    後者についてはその通りと思いますが、やはり具体的にどこ、という指摘があると良かったかと思います。


  8. ・よりデジタル的な放送形態としては、視聴者が直接テレビ電話に参加できる事が挙げられる。
    ・SONYのSUMSUNGやLGに対するアドバンテージはソニー・ミュージック・エンターテインメントが音楽CD事業を行っているように、SONY全体としても音楽好きの顧客を獲得しているので、デジタル技術を生かす機会に恵まれている、という事だと思う。

  9. ・見逃した番組を、パソコンでダウンロードしてみる感覚で自由に見れるようになること。
    ・韓国や台湾メーカーは、既存の技術をより優れた物に変えているが、SONYは全く新規の価値観や発想に基づいて、消費者に対して提案型の商品開発を行うこと。

  10. ・120Mbpsぐらいの回線が常時つながっているという状況から考えると、従来のテレビ放送が進化というようりも、現在のパソコンの形態、つまりインターネットの常時接続の環境が進化していくと考えられる。
    ・SONYはこれまで新しい革新的なもの、言い換えれば文化・ライフスタイルそのものを変える革新的なモノを産み出してきたという企業活動から、あたらしい文化を創造できるというアドバンテージがあると考える。

  11. ・日本の番組だけでなくグローバルに世界の番組をライブでみれるようになる。
    ・SONYにおけるSUMSUNG・LGに対するアドバンテージがあるとしたら それはハード面だけでなくソフト面での充実であると思う。音楽・映画面でも世界に進出している為である。あと、他社に先駆けた技術もある。独自の技術開発が得意という事である。他社のモノマネをしないということである。その点で、その技術に関してアドバンテージをもつことができる。

  12. ・個人放送局が作られる。(チャンネル足らない? 有線だからOK?)
    ・モノを作る能力ではない。コンテンツを作ってユーザーに提案する力がある。
    講師からのコメント:
    前半の個人放送局については電波でよりむしろ有線で可能になる、という点では正しいと思います。 理念ではない、real な narrowcast は Internet によって可能になりましたからね。



  13. ・SONYはエレクトロニクス・音楽、映画、ゲーム機、6分野にわかれて交互に関係を持ちつつ経営されている。エレクトロニクスだけではなく、他の分野に関しても戦う事ができることが、アドバンテージである。

  14. ・現在ストリーミングという形式でPC上で画像や音声を受信する事ができるが、将来 地上デジタルTVが有線で可能になれば家庭のTVがパソコンのようになる。要するにTVが家庭におけるPCと同様の情報端末となりうる可能性を有している。現在ではTVをPC上で見ることができるが、こういった流れが進むとTVとPCはやがて一つの統合情報端末として進化する可能性がある。
    ・SONYは現在でも様々な分野において技術的なアドバンテージを有しているが、SONYの本当の強さは「SONY」というブランドそのものであると思う。もちろんそのイメージは数々の技術に支えられているものであるが、デザイン面などにおいてSONY色とでも言うべきものを前面に押し出している。性能が同じなら多少値段が違ってもSONY製を買う人がいる。そういったイメージ戦略がSONYの強さであると思う。
    講師からのコメント:
    前者の TV と PC の融合、という点は、機械構造的には同一のものになるかも知れないが、使われ方として 同一にならない、という意見もありますね。つまり TV は昭和 40 年代なら知らず、いまはもう完全に 「ながら」見をしている状況ですが、PC は 40 年代のテレビのように、その前にじっと座って注視することが セットになっているものだから、という意見です。もちろん答はまだ出ていません。
    後者の意見については、私は逆に SONY はもちろんブランドを重視していますが、しかしもっと現実主義的だとも思います。どうでしょう?


  15. SONYは事業を広範囲にわたって転開している。コンピュータ、家電、エンターテインメント、など。単独の分野の技術だけでなく、そういった複数の分野の技術を組み合わせた製品を生み出すことができるところに、SONYのアドバンテージがある。

  16. ・インターネットと融合してしまうのではないだろうか。現在ではテレビ放送とインターネットはある程度差別化されていると思う。しかし、デジタル化になると棲み分けができないため、老人が混乱するし、テレビ局も追加投資になる。
    ・海外メーカーには価格では競合しないで、ソニーというブランドをもって活動している。そのため金融・保険などにも参入しているし、マルチメディア産業として様々に多角化している。その多角化して得た相乗効果を独創的な製品開発力にいかしているため、韓国・台湾メーカーの類似品を安く作る戦略とは差別化されている。
    講師からのコメント:
    後者については現在見える姿としてその通りと思います。 その先(時間的な将来)のことにむしろ講師は興味があります。


  17. ・少ない時間で大量のデータを受信する事ができる?
     テレビがもっと軽量化・省スペース化できるようになる。見たいときに見たい番組が見れるようになる。
    ・SONYはデジタル分野における先駆者であり、そこにアドバンテージがあると考えます。つまり製品開発はもちろんのこと、そこから広がる物に対してアドバンテージがあると思います。つまりデジタルをいろいろな物に応用し、開発するという点です。

  18. ・映しているえ映像について、それに関する情報の自由に得ることができる。例えば検索サイトの情報が搭載されていて、関連情報を簡単に得ることができるようにする。
    ・民間放送の格差をなくす。例えば、東京でテレビ大阪を見れるようにする。
    ・SONYはいろいろな産業との連結してものづくりをする創造性や柔軟性が優れているように思われる。現在までの活動では、家電製品、電子機器、半導体関連のものなどを作ってきており、事業分野は多岐にわたる。そのような活動から、SONYという企業は人々の暮らしに求められているニーズへ応じた商品を作れるという強みを持っていると思われる。それはVAIOやプレイステーションのヒットからもうかがえる。多岐の事業からその中で持っている武器を駆使することができているのだと思う。

  19. ・自らで操作してテレビのアングルを変えることができるようにならないだろうか。例えば野球中継ならベンチの映像、ベース上、ピッチャーの後ろからのアングルといったものを自分で見たいものを見れるようになってほしい。
    ・ソニーはテレビなどのトランジスタの部分、パソコンを中心としたITの部分、携帯電話を中心とした通信の3つの軸を持っていることがアドバンテージだと思う。

  20. ・よりデジタル的にするために思いつくことといえば、テレビ番組を時間帯という枠から出して考えられるのではないかという事である。例えば現在のシステムと同じように時間帯に沿って様々な番組を放送しながら(これをやめるとテレビがテレビでなくなる)、過去に放送された番組のデータを有料でダウンロードできるシステムができれば、テレビというものを大きなデータベースのようなものへと変化させることができると思う。
    ・SONYのSUMSUNGやLGに対するアドバンテージといって思いつくことは、SONYの技術者育成の方式ではないだろうか。何かの文貢で読んだ事があるのだが、SONYの技術者は上司からの命令で動く事ではなく、自ら課題をみつけて解決していく能力が求められるので、創造的な技術者が多く揃っているようだ。そのような技術者はおそらく他所の長所を盗み、他者の短所を補うような物が創造できると思う。これはアジアの模倣の技術のみに長けた(僕の勝手な想像かもしれないが)企業にはできないと思う。
    講師からのコメント:
    講師は会社内のことは知りませんが、技術開発力などは日本の企業と韓国・台湾の企業についてはそれほど 変わらないのではないかと思います。一昔以上前に、欧米の企業から日本は真似であると(実際の能力以下に) 評された時代もあったようですから、同じような状況なのかなと思います。


  21. ・大きいサイズのハイビジョンテレビの技術がもっとも要求される。技術の開発などは課題になるはず。両方向だからインターネットと連携にも予想される。それにしたがって、国の経済も生産の増加と共に景気に刺激をもたらす。
    ・SONYのアドバンテージはデジタルの技術であるかな? よくわかりません。

  22. ・パソコンのインターネットと一緒にして使える?
     回線を利用して、パソコンのように他のヒトとのやりとり可能にする・・・とか。テレビがパソコンと同じように使える?
    ・パソコン・オーディオ機器の強みを生かして音楽配信が可能。ゲーム機も通信でつながっている。ネットワークもデジタル分野での強みがある?

  23. ・電波という制約を離れ、デジタル放送が有線で可能になるのならば(←これがよくわかってないので、全て変な文になっているかも)、現在使われているインターネットでデジタル放送が観ることができるようになると思う。つまりある一定の性能を持ったコンピュータさえ持っていれば、テレビが必要でなくなる。
    ・来週の為に(SONY・SUMSUNGなどの会社の事をよく知らないので予測して書きますが、)他社に対してアドバンテージを持っているのならば、他者とは違う活動をしているということ。SONYはデジタルを使用する場においてほとんどどの場にも製品を提供している。そのため、デジタルの開発から始めるのではなく、デジタルを使用する場で新しい動きを行うという立場からデジタルで可能なことを考え製品化するという、ノウハウを利用することができる。

  24. ・特におもいつきませんでしたが、デジタルテレビ放送は今の放送とたいして違わないと思うので、それだけのお金をかける価値があるのだろうかと思う。
    ・SONYはソフトな面とハードな面をもっている事だと思います。

  25. ・いずれ電波の制約がなくなるのだったら、デジタル放送に切り替える必要はないと思う。
    ・ソニーのアドバンテージはデジカメや多くの電化製品を作っているだけでなく、多くの事業もてがけている事。

  26. ・デジタルデータとして大容量のHDに保存する事で、どの番組をいつどのように見るかという選択の主導権がより放送局から視聴者へ移る。
    ・SONYの経営活動は「エンターテインメントの創造」という一貫した理念の元に行われており、その製品群を通してわれわれ消費者が娯楽で使うように提案している。それはただ製品を生産している他者と比較すると大きなアドバンテージであると思う。

  27. ・1、126Mbps 位の受信ができるなら、TV画面であることはなく、 空間を利用して3D的な放送が見れないでしょうか。部屋の隅に機材を設置して、空間にデジタルデータを飛ばして映すみたいな感じで。
    2、画面上にいくつもウィンドウを重ねて同時にたくさんの情報を取得できる。現在のうちのインターネットでは動画は1度に一つしか見れないが、いくつも同時に見れるようになる。
    ・1、圧倒的なブランドを持っているため。たとえ他の会社の製品のほうが優れていようとも、SONYというロゴが入った製品である限り、一般の人々はそちらを選ぶと思われる。
    2、SONYはデバイスだけでなく多様な分野もカバーしているので有利。(先生言う前に書きましたよ・・・うぅ T T。)
    講師からのコメント:
    いろいろなコメントをありがとう。基本的にクラス中に問うているレポートはすべて私が自分の意見を説明する 前に書かれたものと思っています。安心して下さい。
    多様な分野をカバーしている、その分野と、なぜそのような分野に手を出しているのか、ということに ついての具体的な意見があるとより良かったかと思います。


  28. ・見逃した番組や再び見たい番組を好きなときにダウンロードし、視聴可能にしてほしい。それ以外の点(高画質、高音質、多チャンネル、双方向)はあればあるでいいが、なくても全然かまわないという程度。

  29. ・画面が3D?
    ・他者とは違うものを創り続けようとしているから。

  30. ・mp3と同様に今の規模に合わせた一過性の圧縮と同様に、いずれ有線でもデジタル放送は可能なのであれば、先を急いでデジタル放送を進めれば、いずれ使えない物になるだろう。アナログとの違いをうまく使うには、一方向ではなく双方向のコミュニケーションを確立する事で、よりユーザのニーズに適応した放送がデジタルによってできるかもしれない。
    ・サムスンなどが近頃台頭してきたのは、プラズマディスプレイなど今の『流行』に乗った商品技術で、SONYはそれに比べ、『多様性』で勝負できるところが強みである。

  31. (1)デジタル化によって視聴者がより多くのデータを利用できるようになる。テレビだけでなく、パソコンや他の家電製品が全てデジタル化され、データのやりとりが可能となって、生活がより便利となる。またただ流れてくる画像データから視聴者が選択するのでなく、自ら見たい画像データを好きなときに自由に見ることができるという変化が起こって、どんどんデジタル化が進んでいくと思う。
    放送のデジタル化、ネットのブロードバンド化によって、視聴者は放送にとどまらず映像から音楽まで自由なでーたを楽しめ、この量的変化と共に視聴者が自らに有益な情報を選んで手に入れる質的変化ももたらす。
    (2)SONYは他者に比べて事業の”多様性”という点でアドバンテージがある。デジタル化によって、新たなサービス展開するとき、この点が非常に有益で、他社とタイアップするのではく、自社内でしあげることで他社以上のスピードや内容の充実が実現できる。
    講師からのコメント:
    後者については講師の意見とほぼ同じものかと思います。同意見の人がいて私も心強いです。


  32. ・質→ある程度のPC機能とテレビの一体化。
     例えば、HDDを内蔵することやインターネットとの接続。
    電波という制約から離れたとき、テレビ・電話・FAX・などの情報通信網を一括する。このことにより、通信料金を定額にする。
    ・独創性と創造性
     SONYのイメージの中に斬新なデザインとより先進的なものを産み出すというイメージがある。具体例としてはVAIOである。

  33. 1、(少なくとも総務省が示している)地上デジタル放送の利点は、現行存在するケーブルテレビ・インターネットの機能によって保管できる物と思われる。120Mbps程度のネットワークスピードを安定して出す事ができれば、「テレビ」と「インターネット(=PC)」との境界線は極めてあいまいいになる。つまり同じメディアとして捉えられるようになるのではないだろうか。単なる「インターネット上の動画コンテンツの増加」でもなく、「テレビのインターネット化」でもない新たなメディアが生まれるのではないだろうか。〔これと連動して、現在家庭で使用されている「パーソナル・コンピュータは淘汰されていくと思われる〕
    2、何よりも、SONYにはブランドイメージがある、SONYは自らの生産製品を、単なる機能的な事象のみに構わらず「SONYを持つこと」というアドバンテージをくわえて販売している。このアドバンテージは例えば積極的なIR活動という「経営的な」分野や、広告イメージの統一などということからも示す事ができるが、何よりも象徴的なことは「AIBO」であると考える。HONDAなど、他社も同様なロボット開発を続けている。SONYがこれらの会社と違う点は、「AIBO」という、targetを一般(ならびにadvancedなuserにも対応しているが)に向けて最新の技術を最も解かりやすい形で示している。これらの「下地」によって、個々の製品ではなく人々の生活のものをproduceしようとする姿勢が感じられる。
    講師からのコメント:
    講師はデジタル時代の一つのキーは「淘汰」ではなく「統合による共存」だと思っています。 テレビと PC はデバイスとしては統合されると考えていますが、アプリケーションとしてのテレビ番組と PC のソフトウェアは今後もそれぞれに残ると思います。両者は性質が異なるからです。 ではどのような統合と共存、そして境界線の消失(混合)があり得るか、ということが次代をデザインすること そのものになると思います。 SONY はそこにまっすぐ向かっていると講師は考えています。どうでしょう?


  34. ・放送→有線    電波 チャンネル
    ・ソニーの強みは標準モデルが完成した後に、そのモデルの質を高めていくといった活動にあるのではなく、標準モデルを自社が作ってしまおうとするところにあると考える。ブルーレイディスクやベータなど独自の規格を作り出すプロセスに力を入れているのではないかと思う。しかもハード面よりソフト面を重視している。デジタルテクノロジとソフト面の知恵の融合ができる点が、ソニーの強みだと考える。

  35. ・インターネットを介した場合→回線が同等であれば、視聴者が自由に番組を視聴できる(時間的に)
     有線であれば、それに似た事が可能に。
    ・消費者に新しいデジタル的なツールやそれを用いたライフスタイルを提示

  36. ・私個人としては現状に満足しているので、そんなに莫大な税金をつぎこんでまで、デジタル放送をしなくても良いと思う。先生の言うように、いずれ電波という制約から離れる物ならば、直の事で、デジタル放送が過渡期でしかないなら、そんな大きなメリットがある訳でもないので、デジタル放送を超えるよりデジタルな放送?が可能になるまで、無理して移行する必要はないと思う。
    ・機会の性能だけじゃなく、デザインも洗練されていて、斬新な物が多いところ。例えば音の良さとかじゃなくて、デザイン(DVDプレイヤーのフタの開き方とか)にも、技術力の高さを見せているところ?

  37. ・今の「テレビ」に対抗する最大のマスコミ媒体はインターネットであると考える。すなわちデジタル放送にする事で、インターネットを超える価値を提供する必要がある。しかし、私たちはインターネット社会がさらに普及する事も予測できる。
    デジタル放送とインターネットの最大の差別化のポイントは、高齢化社会に対応しているかどうかというくらいしか思いつかない。インターネットが普及しているとはいえ、高齢者世代にはまだまだ浸透していない。これは高齢者がインターネット(パソコン)にとっつきにくいという点が一因であると考えられる。そのため若い世代はインターネットを利用し、高齢者はデジタル放送を見るようになる。だが将来的に高齢者世代にもインターネットが浸透する日が来るのも確かである。すなわちデジタル放送を国費をかけてまでやることは疑問である。
    ・SONYは長い年月をかけて世界に「高級ブランドのひとつ」として認められるようになった。すなわち韓国・台湾メーカーの追随も気になるが、ブランドマーケでぃんぐにおいてアドバンテージがあると考える。
    講師からのコメント:
    講師はネットワーク化(構造変化)についての the rest of、例えば高齢者のことを考える量が足りなかったようで、反省しています。 なるほど、高齢者をどう追いかけていくか、ということは重要なデザイン要素ですね。 良い意見が貰えたことを嬉しく思います。


  38. ・映画などのリアルタイム放送でない番組は、開始時間に関係なく選択した時点に最初から見られるようなサービスが可能になる。
    ・世界に事業部を持ち、世界で技術革新が起きた、またはSONYが起こした場合、世界中から収益をけ算できる。また他国での技術革新への反応の速さ
    ・映画(ハリウッド)業界進出など他産業進出による技術的シナジーの存在。
    SUMSUNG・LGは他国に輸出のみで、事業部進出とい形ではてんかいしていない。
    →他国(アメリカなど)の技術革進に直ちに対処できない可能性

  39. ・全部が全部の番組画というわけではないが、いくつかの番組は「見たいときに見たい番組を観ることができる」というようになったら、デジタルテレビも便利になるのではないでしょうか。見逃した番組のバックナンバーが見れるなどです。



  40. ・SUMSUNGやLGのように、既存の物より高性能、高品質な物を作り出していくという企業活動と異なり、walkmanを開発したときのように、全く価値が周囲に認知されていないものを作り出すことが可能な活動をしているから。

  41. SONYのアドバンテージはやはりそのブランド力である。同じデジタル機器があっても、SONYのほうが質が良く思わせる力がある。また他分野に進出しているので、技術を応用しやすい。

  42. ・テレビの受信方法を地上派デジタル放送にすれば、インターネットを利用した方法の延長線上にあると思うので、テレビの存在自体が不要であり、インターネットの中にテレビ放送自体が組み込めるのではないかと思います、チューナーとアンテナを取り付けて今のテレビを使ってみるために、国が多額の費用を使う事に対して、あまり意味があるとは思えません。
    ・SUMSUNGやLGの企業活動に対してあまり詳しくないので、確かではありませんが、SONYの企業活動を見た場合、デジタル技術を様々な分野・業界に応用しその各々の分野から評価を得ているということがあると思います。つまり音楽やゲームなど滝に亘る分野への応用力が、SONYのアドバンテージだと思います。

  43. ・デジタル化と120Mbpsという大容量を得られることで、番組の録画を一括ダウンロードして記録する事ができるようになる。
    ・より緻密なデジタル化への模索と、消費者にわかりやすい形でデジタル商品を開発・宣伝していること。

  44. ・現状では120Mbps程あればデジタル放送が流せる。光ファイバーのインターネットは最高100メガでできることから数年後にはテレビがパソコンのように扱う事ができるのではないだろうか。
    ・SONYはTVのトリニトロン技術やメモリースティック、他にもコピーコントロールCDなど独自性のある技術を持っています。このようなことからSONYは独自の技術を次々に出す事で他社との差別化を行い、成功しているのではないでしょうか。ただ極端に差別化をしすぎるあまりに、他社との規格の統合というような場合になかなか足並みをそろえず勝手にやっているように思えてしまいます。
    講師からのコメント:
    (少し設定された問いから離れていますが)後者の意見は興味深いものです。 先行者利益を多くとりたい企業が、標準規格とどう向き合っていくか、ということは今後ますます重要な ファクターになりますね。従来は機器の中で閉じていた規格というものが、相互接続性が なによりも重要なデジタル環境においては当然機器の中で閉じておればよい、というわけにいかないからです。


  45. ・番組自体を保存し、見たいときに見ることができ、いらなくなれば消すということができるようにする。
    ・SONYは・・・

  46. ・過去の番組が見られるようになる。
     受信した情報をパソコンで加工して利用できるようになる。
    ・ソニーは家電やAV機器、そのほかのものを創るだけでなくゲームや音楽、映画や損保などいろんな産業を持っているので、使用目的に合わせたシステムを作ったり他社に比べていろんな選択ができるのではないかと思う。

  47. 複数の番組を同時に見たり、スポーツで現在の状況とリプレイを同時に見たりできないのかと思う。

  48. ソニーに限らず、自動車産業からはホンダ、トヨタがより実用的な人型ロボット作りに力を入れており、日本全体がロボット技術の高まりに沸いている。

  49. ・インターネットのようにほしい情報をほしいときに利用する事ができる
    ・パソコンとテレビ や パソコンとオーディオ などの境界を超越して、新しい時代の家電を作ろうとしている点。そのために個々の背h\遺品の性能勝負だけでなく、将来的なネットワークの構築に目を向けている点。

  50. ・見たい番組を見たい時間に見れる
    ・SUMSUNGやLGよりも多くの産業に手を出しているので、より広く発展できる。つまり消費者と関わる媒体が多い。

  51. ・利用者チャンネルを設けて、自分で製作した映画などを公開したり、あらゆる作品を展示できる。

  52. ・国内でのブランドとしての認知度がまずSONYの強みだと思う。最近では金融系統の分野にまで展開している。

  53. ・思いつかない
    ・ソニーは過去の実績から消費者に高品質のイメージを持たれているという点ではアドバンテージがある。

  54. ・ソニーはSUMSUNG、LGと比べてた分野において事業をしている企業であるため、ある事業で使用したシステムを他の事業で使用したりする事ができ、企業全体で技術移転が容易に可能である。そこがSUMSUNG、LGに対するアドバンテージだと考えられる。

  55. ・光ケーブルや電話回線を使う(デジタル放送がどんな物か良くわからない)
    ・SONYというブランド名

  56. ・見たい番組を各自でDLしてみる事ができる。 深夜番組を19時にみれる、とか 見逃した番組をもう一度再生できるとか。
    あとはNHKに放送を任意で受信するようにする。理不尽な取立てにあわなくてすむ。
    ・VAIO等で高いブランド力を持っている。また品質だけでなく、おシャレ、先進的なスタイルという外見面でのアドバンテージが大きい。
    講師からのコメント:
    前者の意見は放送から時間(同時性)との関係を外すとどうなるか、という視点からくるものと思います。 重要な視点で、逆に放送から同時性を取り去ってしまうと、いわゆるダウンロード視聴、Video On Demand 視聴と同じ状況になってしまいます。 テレビ放送側(サービス提供側)は、この同時性を重視するか、それとも無視するかが大きな分岐になると思います。 講師の個人的な予想は 120Mbps という現在提供しうる予想帯域を、放送(ブロードキャスト)というかたちで 有線が実現できるようになるときまでは同時性を重視しない方向で変化し、それ以降は逆に同時性を要求する ものにテレビ放送(無線データサービス)は偏っていくと思います。どうなるか楽しみです。


  57. ・現在、家庭用の光ファイバーであっても、環境さえ整っていれば常時30〜60Mbpsぐらいの通信速度は見込めます。さらに企業用になると1Gbps以上の有線回路も実用段階に入っているようなので、120Mbpsという数値は身近な物になっている。よってインターネットとデジタル放送が同等なものとなり、J-ComやUsenなどの有線回路保有企業の競争などが生まれるのではないかと思います。
    ・ハード面だけでなく、ソフト面・・・

  58. ・放送とは異なってくるかもしれないが、テレビにHDDを内蔵してみたいドラマの過去の放送、過去のニュースetc リモコンからワンクリックでダウンロードできてテレビに映し出せるシステムを作れるのでは。確実にツタヤなどは潰れてしまいますけど。
    ・サムスン、LGはあくまで既存商品の改良を行っているに過ぎない。SONYはそもそも新たなプロダクト・イノベーシションを産み出すのが強み。もっと他の分野で独占するのを狙っているのでは。
    講師からのコメント:
    前者の意見についてですが、私は逆にツタヤなどのレンタルビジネスにとってデジタル技術の普及は非常な チャンスと思っています。放送からデータを蓄積するか、ツタヤから購入するか、違いはありません。 となると、残る違いはライセンスの形態(映画会社や通信社から取得する放映権の取得形態)と ビジネスモデルだけですからね。


  59. ・今日、配られた資料に載っているようなデジタル放送の利点だけでは、移行する意味があまりないと思う。これではテレビが放送してきたことに変わりが見られない。より視聴者がほしい情報が正確に届くようなインターネットのようなサービスが必要だと思う。
    ・SONYがSUMSUNGやLGに遅れているのは、純粋に技術だけであり、ここまでプラズマ液晶テレビの普及する事が予想できなかったからだ。SONYは技術だけでなくてその技術で人の生活をどのように変えていくかというコンセプトがはっきりした企業だと思う。だからSONYの持つアドバンテージは新世代のテレビが一通り普及した後のサービスで差をつけていくという点にある。