レポート:標準化の価値

標準化の記事を読んで、何故デジタル化された世界では標準化が大切になるのか、簡単に考えを説明してください。
アナログ時代の製品(IP電話ではない電話技術など)でももちろん標準化は重要ですが、デジタル化で標準化の重要性がより増す局面があるとすれば、それがどのようなものかを想像してください。
(単なる縄張り争いとしか見えないのでは困る)

講師から

標準化とは互換性の確保を意味します。受講生の回答は国際接続などの相互接続性を高め、そのためのコストを低減するといったことに注目しているものが多く、いずれも真っ当で正しいものが多く、良い回答と思います。
私からは少し違う考え方を一つの例として出しておこうと思います。参考にして下さい。
デジタル世界における互換性は、一時処理の開発・運用コスト低減にもちろん有効ですが、二次利用(二次加工)においてはさらに決定的な効果があります。(標準化がなされていないと二次利用がほとんど不可能なほど難しくなります。)
たとえばIP 電話をデジタル化されたメッセージ処理サービスだと考えれば、IP電話におけるメッセージの二次加工とは留守番電話、FAX、転送、蓄積などが考えられます。 デジタル化の利点の一つは、こうした多様な付加サービスを、ほとんどソフトウェアの力で実現できることにありますが、それらの各サービスが各 IP 電話会社、国ごとに異なるフォーマットに個別に対応しなければならないのでは、開発・テストのためのコストがかかりすぎて事実上サービスが実現できなくなるでしょう。
インターネットという場は End to End で、つまり末端につながれたコンピュータとコンピュータの間の直接対話によって新しいサービスを次々と生みだしていくことが可能なところです。その末端の可能性を大切にするためにも、標準化は非常に重要です。

受講生からの回答

全文、原文のままですので、誤字や途中になっているものなど多くあります。

・例として考えると、日本のA社が日本のケイタイで、ヨーロッパのB会社と(これも向こうのGPS使用のケイタイとす)すぐ連絡すべき事があるとする。でもNTT→GPSではできないので、ここで会社の情報伝達ののスピードのダウン=利益を失うことがでてきたり、現実の経済・流通・生活の分野での世界的なスピードのずれがでてくる。
さらに日本の研究者がアラブの研究者へデータをおくろうとあしてもおくれない、またはおくっても開けない、みれない、ということもでてくる。このために世界標準化が必要である。もし標準化が成功すればこの経済・流通・生活の世界的なコストダウンや活性が期待できる。

講師からのコメント: ちょっと説明が抽象的で、具体的にどのあたりで遅れるのか分かりにくいです。なんとなくは分かるのですが、、 データの標準化はおそらく IP 電話における相互接続や音声データの標準化とは別に行われる場合が多いとおもいますが、ともあれそうしたデータ交換やデータ処理が IP 電話の電話端末どうしで行われる可能性がある、という視点は良いセンスと思います。

・多様な使用が可能になったからこそ、標準化して世界にまとまりをつけないと、いろいろな場面で不便になるから。
(例えば、大事なデータの入ったCD-ROMを海外のコンピュータでは使えないなどという事になったら本当に不便)

・独自の仕様は後にコストが必要となる。
例えば国際IP電話は世界中のIP電話事業者で使用が異なると、コストもかかるし業者間での取り決めも大変になる。いずれは外国のTV放送もインターネット回線を用いて直接受信できるときが来たと仮定して、チャンネルごとに使用が異なるとそれぞれに対応するソフトが必要となり、結局コストがかかってしまう。

講師からのコメント: 後でコストがかかる、というのはその通りですね。

・現在でもまだ主流の第2世代携帯電話は日本が世界唯一の使用をとった結果、海外でつながらないほか海外メーカーの参入も難しくなった。そうならないためにも、標準規格を作って、国際通信を簡単にする。

講師からのコメント: 新聞記事そのままの要約ですね、、、

・もし世界中でばらばらなツール(標準化)でつくると、デジタルデータの符号化に伴う復元化をする場合に、元のデータと全く違うデータが各国間のルールが違うために伝達されてしまう。そのため世界で共通のルールを統一し、各国間の通信ができるようにしなければならない。国際標準になるということは自国の現時点での製品を変えるコストがかからず、その技術において他の国よりも先進でサービスを提供できるという経済的な利益などが得られるため。

・携帯電話の例があるように、標準化された規格と異なった規格を基に作った場合、使用することに制約が生まれ、使い勝手が悪くなり、また汎用性も失われる。汎用性がなくなれば、運用コストが高くなるなどの弊害が生まれ、ユーザーも減少する。また標準化規格からかけ離れれば、極端に言えば情報が通信の面で孤立する事になり、経済にも影響する。

・国によって音声・デジタルデータ間の変換のフォーマットが異なると、違う国では直接再生できない。途中で相手のフォーマットに合わせなくてはならず、そのために余分なコストが必要となる。すると例えば日米間、日中間でフォーマットが異なると、お互いの企業の参入がしにくくなってしまう。世界経済の発展に乗り遅れる事になるかもしれない。

講師からのコメント: 経済全体に対するような影響、というほどには問題は大きくないと思います。というのも、デジタルデータはフォーマット自体に互換性が無くても「変換」できる可能性があるからです。ただ変換するためのコストが発生します。これがどの程度の問題か、ということですね。

・デジタル情報に変換したときに変換するときのルールが違えば 別のルールの下で作られた情報を読み取る事ができなくなってしまう。標準を作ればいろいろな情報を別の用途で使うことができるので、標準化したほうが効率がいい。

・先週の授業で、DVDにマイクロソフトの技術を取り入れるという話があり、マイクロソフトが、DVDの市場を独占する状態になりかねないという話が合ったが、日本が取り残されないように、日本主導で行うと書いてあり、もし、欧州中心で日本が取り残される形を取られてしまったら、ケータイ電話と同じで、日本から海外へ電話が出来なくなってしまうのではないかと思う。全ての国の人々が、同じようにして、電話を利用するサービスを作るには、標準化が必要だと思いました。

講師からのコメント: 縄張り争い的な視点であれば、標準化というものが実はどこにも独占的なチャンスを与えないためにも有効に機能しうる、という点に注目してみてください。 技術志向のメーカーや新製品は縄張り争いで競争したいわけではなく、純粋に技術や製品としての良さで競争したいと思っている場合が多いからです。

・せっかく現在ある汎用デジタル通信網で汎用デジタルデータをやりとちしているのに通信者相互で規格が違うと、その汎用性が失われるから。

講師からのコメント: 汎用性が失われるとどこでどの程度困ることになるか、そのあたりを書いてくれるとより良かったと思います。

・標準化をする事で基準が出来る。デジタル化によって日本だけでなく世界とも関わりが多くなる。その時に基準がないと、各国バラバラになったり孤立したりしてしまうから。

講師からのコメント: 少し抽象的すぎて良く判りませんでした。。。

・標準化(=規格化?)されないと、汎用性のあるデジタルとは言えど、ソフトだけで対応できない事が生じ、ハードの追加などの開発コストが余けいにかかってしまう可能性が生じるから。

講師からのコメント: そう言うケースも有り得ますが、何かを想定しているのであれば例を出して貰えればより良かったと思います。もし漠然とそう思う、と言うのであれば、もうすこし調べてみることを勧めます。

・専門化してしまうと、デジタル化の最大のメリットである汎用性が失われ、将来的に起こりうるさまざまな発展のさまたげになってしまう。または、それによって日本そのものが個立してしまう可能性があるから。

・電話で考えると、同じ方式で統一しないと、その方式でないとつながらないということが起こって不便だから。

・首脳会談などがそれぞれ自国にいたまま容易に行える。海外の企業などの参入が可能になる。

講師からのコメント: 特別な用事というのは特別なシステムを用意しても問題なかったりします。標準化が重要になるのは逆にもっともっと一般的で大量に使われる機会のある用途についてです。

・グローバルネットワーク社会に於いて、一部の地域でしか使えないというのは不便であり、時代の流れに乗り遅れる事になる。その為には標準化が欠かせない。しかし完全標準化(例えばMSの基本OSがコンピュータシェアの90%近くを握っている)をするような状態は所謂、独占禁止法にひっかかるのではないか。公平な企業間競争を妨げる事になってしまうのであるとも考えられる。そのバランスをどう操っていくかが問題である。

講師からのコメント: 標準というのは独占ではなく、むしろそれと全く逆の「公有」が目的ですね。

・デジタルデータは汎用
デジタル化された正解は標準化が大切になるのか。ネットワークは世界につながっているので、デジタルデータを共有するには標準化が必要だと思う。

・仕様が異なる間では、デジタル化されたデータはただの0,1の並びで、データとしての意味を成さないので。

講師からのコメント: 少し説明が抽象的すぎて分かりにくかったです。