3. 掲示板システム

2003 年 7 月にクラス運営につかえる掲示板を web インタフェイスで運用するシステムを作った。

3.1 設計の要点

以下の要点に注意して設計したつもりである。

記事の並び順

スレッドは単なる投稿順ではなくスレッド・ツリーを追いかけた状態で表示される。一般的な掲示板は最新の記事が最も最初に目に付くところに並べられるが、この掲示板では投稿順に並べられ、最後に最新の投稿が置かれる。

理由は一般的な掲示板が「盛り上がる」ことを目的としたコミュニティであるのに対して、教育向けは「順を追った説明が確実に受けられる」ことを目的としている。そのためには時系列に上から下に向かっており、受講生は最初に投稿の頭から見るのがよい。

既読履歴

ある記事が既読か未読かを記録しておいて利用者に見せることは重要である。一般的な掲示板は、興味を引きそうな記事遭遇出来ればハッピーで、そうでなければ残念、という格好になっているが、授業支援のシステムはこれとは異なる。

投稿された全ての記事を、間違いなく全てを読むことができる点が重要である。学生に対しては「そのアナウンスは知らなかった、気が付かなかった」のは学生自身の fault であるので対応しない、と教員は言えなければならないし、教員は学生の質問などを見落としてはならない。

つまり利用者は、どの掲示板のどのスレッドに未読記事があるか、またはどこも見る必要がないか、トップページを見るだけでそれを判断できなければならない。そうでなければユーザは毎時間毎時間、あちこちのスレッドをチェックして回ることになる。最新記事が何時だったか?といった不完全な情報はほとんどこの作業の助けにならない。

マーク

教員は大量の記事があったとき、後からそれを見返したり、コメントをつけたり、また翌日に授業で見せたりするだろう。そのために、目立つマークを付ける機能があると便利かもしれない。


Yutaka Yasuda (yasuda@bakkers.gr.jp)