1st - SDN という言葉のいま

"SDN" はもう "OSS" くらいの感じになった。 SDNという(バズ)ワードは、結局 OSS (Open Source Software) くらいの感じになった。個人的に望んでいたところに着地しつつあるように思う。
つまり「その定義」や「哲学」について厳しく境界線を引こうとすることはもう意味が無くなった。ざっくり「ソフトウェアで制御しておれば、それは SDN と言って良いだろう」「SDN と言うと、まあとりあえずソフトウェアで何かしてくれるんだね」くらいのものになった。そこまでゆるくなくても、せいぜい「オペレータの手作業でなく、特に高級言語で書かれた、割と複雑なソフトウェアが」と断りを入れるところが限界で、そのあたりを満たしていたらまあなんでもいいよ、くらいになったと思えば良い。
去年あたりに結構見られた、「SDN とは何か」といった大上段な話も、「これは SDN と呼べるか(否か)」「この SDN はどういう意味で使われているか」といった位置付けの話ももう余り重要ではなく、「それで結局ソフトウェアで何をしてくれるのか」「すると今まで困難だった何がどう変わるのか」といった中身の話をさっさとしようよ、という気分に皆がなってきたように思う。
まだ「誰が SDN の覇権を取るのか」「どの軍勢に加勢(あるいは追従)するのが良いのか」といった議論は残っているだろうが、そろそろこれも下火になって欲しいなと思っている。そういう話がビジネスでは重要なんだと言われてしまいそうだけれど、気弱なエンジニアとしては MATRIX みたいに「赤い薬か青い薬かどちらか選べ」みたいに迫られると、相手がモーフィアスでなくてもびびってどちらも手を出せない。
OSS もいろいろと宗教?的なことがあったけれど、最終的にその言葉は(恐らくは発案者が意図したとおりに)ぼんやりとした定義と、しかし特定の実用的で強力なアイディア、技術的なアプローチについて皆の視線を集約し、共通の理解を構築することに貢献したと思う。OSS でどうやって儲けるか、という話については今もいろいろ議論はあるだろうが、結局のところビジネス・プレイヤーは各自の分野と階層で OSS に対応したビジネスを実現している。ある意味もう普通に溶け込んでいるのではないかな。
SDN も、その言葉ごとそんな風になればいい、と思っている。
ところでこれはほぼ「外野席で応援」してるくらいの僕の感覚で、その僕が覗いた 2014年の SDN 関連イベントというと ONS、Interop (の SDN showcase)、SDJ Japan くらいか。今年は台湾のカンファレンスに行くことは出来ず、Okinawa Open Days にもちょっと行けない。そんな僕の個人的感覚なので、まあ余り当てにはならないけれど。そんな印象だった、ということで。

References