20th - なぜ Intel は E7 を使わないのか

Intel は ONP を提案する際に、当たり前だけれど自社の x86 プロセッサを制御 CPU として含めている。彼らとしては何でも良いからソフトウェア処理の領分を増やしたいはずだ。しかし ONP のものにしても、Quanta と作って ONS に出したモデルにしても、E3 あたりの小さめのチップをつけている。何故だろう。
例えば右図、彼らのONP 参照設計(Intel ONP Switch Reference Dsign)では Xeon E3 が使われている。ONP の紹介スライド p.12 で出てくる Gladden は 各種あるようだが恐らく Intel Xeon Processor E3-1125C (8MB Cache, 2.00 GHz) あたりか。4 コア、Max TDP 40W の小型マシン用。
上のスライド p.12 に出てくるスイッチは ADI engineering 製のようだが、ここでは 1125 ですらなく 1105C とある。4 コアだが TDP は 25W、6MB cache, 1GHz の小型製品だ。
いまどき Power でも Quad core, 2GHz くらい出る時代だ。自社の強みを活かすためにできるだけソフトウェア処理担当範囲を拡大すべき Intel にしてはちょっと他社 CPU と較べても見劣りしないか?

source: Intel
Broadcom お前もか Broadcom による OCP 向け x86 スイッチのコントロール CPU も quad-core x86 AMD Embedded G-Series SOC だそうで、恐らくは このあたりの GX-416RA (no GPU, 1.6GHz, 15W) あたりと思われる。それほどパワフルなチップではない。
Quanta QCT も T3048-IZ1 という型番で Intel の ONP デザインのものを出しているが、やはりほぼ同じ構成と思われる。
どうして E7 のような、もっと大型のプロセッサを積まないのだろう。それでソフトウェア処理をガンガンやらせれば良いのに。サーバ領域などでは処理能力 / Watt の率が悪いために「従来ハイエンドにあったXeon E7はおろか、Xeon E5ですら価格と消費電力の両面で高いといわれるようになっており、実際Xeon E3グレードの製品がむしろ大量に出ているのが実情である」(マイナビニュース 大原雄介 2013.8.22)といった報告もあるが、Top of Rack のスイッチであれば 40 台に一台あるいはそれ以上の集約度になるのだから、ここで CPU を少し落としたところで仕方が無い、むしろ Intel にとって CPU 能力を下げるのは自分の首を絞めているように思えるのだが。
なお Arista は当初から 1.5GHz 程度の AMD x86 プロセッサを制御 CPU に採用しており、そこに多くのソフトウェアを積み込み続けている。

追記(2014.2.20)

ようやく Quanta の web に T3048-IZ1 の製品詳細、データシート等が掲載されたようだ。

References