5. ファイル
ファイルとは何かということを本質的に理解できるようになるにはコンピュータの構造を知るところから始めなくてはなりません。
これはファイルがコンピュータが発展する過程での歴史的経緯から発生し、現在に至っているからです。
ここではファイルとは何か、という事については余り言及せず、その仕組みを利用するとこんな事ができる、というところを説明します。
5.1 でもやっぱりファイルって何?
気になる人の為に少し中途半端なものになるのを覚悟で「ファイル」とは何か説明しましょう。気にならない人は読み飛ばしてください。
身のまわりの電化製品を見渡すと、ディスクやテープなどの「記録媒体」などと呼ばれるものを容易に見つけることができると思います。
例えば音楽を聞くのに使っているCD(コンパクトディスク)や、ビデオテープなどです。
前者はキラキラ光る面に溝を刻んで、後者は茶色の鉄粉が塗ってあるテープに磁石で印を付けながら、とにかく「なにか」を記録していきます。
UNIXコンピュータにもこれと同じように「なにか」を記録できる「ディスク」が幾つも付いています。
きっとあなたも今までにワープロ用のフロッピーや、音楽用の MiniDisk など、コンピュータ用のディスクの類似品を目にしたことがあると思います。
このディスクの中にいろんなものを記録していくわけですが、コンピュータのディスクはCDみたいに交換できない上に、UNIXコンピュータは大勢の人が使っているので、整理して「もの」を配置しないとどこに何を記録したのか判らなくなってしまいます。
CDだってアルバム一枚に幾つもの曲を入れていますね。そうしないと5曲目だけ取り出すなんていう事ができなくて不便です。
コンピュータのディスクの中にものを記録する場合、記録はそれぞれ他の記録と混同しないように分割して残され、他の記録と区別するためにそれぞれ名前が付けられています。
このそれぞれ名前を付けられたひとかたまりの情報の集まりを「ファイル」と呼んでいます。
つまりコンピュータのディスクの中にはそれぞれ名前を付けられたファイルが幾つも記録されているということです。